中学受験の志望校選びで、通学時間を考慮するのは悩ましいポイントだ。偏差値や校風と並んで「通学距離」が判断基準に入ってくるのは、子どもが毎日通うことを考えれば当然のこと。SNSでは「近いは正義」という言葉が繰り返し話題になっており、共感の声も多い。長女が中学受験を経験している筆者も、これに同意している。
長女が進学したのは、自宅から通学時間が10分ほどの学校だ。電車と徒歩を合わせてもその程度で、同じ6時間授業でも小学生の弟たちより早く帰宅するほどだ。また通学時間が短いことで嬉しいのは子どもだけではない。さらに、遠くても通う価値がある学校も存在していることを解説していこう。
「近いは正義」は子どもだけの話じゃない
クラスの懇談会や長女からの話では、他県から通う子や片道1時間以上かけて通う子も少なくないと分かった。仲の良い友達が5時に起きて家を出るという話を聞いた長女は、自分が目を覚ました時にはすでに電車に乗っているという事実に驚いていた。
通学時間の恩恵は子どもだけではなく、親の立場から感じることも大きい。毎朝のお弁当作りも、早起きの負担が少ない分だけ余裕がある。授業参観や個人面談も、学校が近ければ気軽に足を運べる。半年分の電車定期券の費用が1万円を切るのもありがたい。
さらに、電車が遅延したときにすぐ迎えに行ける安心感は、女の子を持つ親として無視できない要素だ。
それでも「遠くても通う価値がある」学校は存在する
一方で、遠距離通学を否定するつもりはない。筆者自身、高校時代は片道1時間近くかけて通学していた。道中は同じ方向の友達とおしゃべりし、その時間がとても楽しかった。近すぎる通学はそういった楽しみを奪うことにならないかと、心配したこともある。
「近いは正義」は確かにそうだと思う。ただ、それはすべての家庭に当てはまる答えではない。子どもの体力、性格、そして結局のところ、その学校にどれだけ行きたいかによって答えは変わる。憧れの学校へ通うことは、道中もきっと苦ではないだろう。
現在は長男の学校選びの真っ最中だ。しかし、遠い学校は避ける方向で考えている。ただそれも、長男自身が「どこに行きたいか」という気持ちと照らし合わせながら決めることになるだろう。志望校選びでも、結局は「自分ごと」として考えられるかどうかが大事になってくるのだと感じている。
◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) 3児を育てるママライター 2026年、長女が1度塾をやめるという回り道を経て大学付属中学に進学。現在は長男が大手中学受験塾で中高一貫校を目指して奮闘中。次男は中学受験はせず公立へ進学予定と、3人3様の選択をする子どもたちに日々翻弄されている。中学受験を支える親のリアルをSNSで発信中。