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水原一平受刑者も服役、米国刑務所の実態…大ヒット漫画原作者が証言 竹内力も仰天!賭博や野球リーグ戦も

北村 泰介 北村 泰介
大ヒット漫画「チカーノKEI」シリーズの連載10周年記念イベントで肩を並べた原作者・KEI氏(左)と盟友の俳優・竹内力=都内
大ヒット漫画「チカーノKEI」シリーズの連載10周年記念イベントで肩を並べた原作者・KEI氏(左)と盟友の俳優・竹内力=都内

 2作品での累計発行部数が250万部を突破した漫画「チカーノKEI~米国極悪刑務所を生き抜いた日本人」と「バブル~チカーノKEI 歌舞伎町血闘編~」(秋田書店)の原作者・KEI(井上ケイ)氏がこのほど、都内の「LOFT9 Shibuya」で開催された連載10周年記念イベントに親友である俳優・竹内力と登壇した。KEI氏は米国刑務所の実態を証言し、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳で、現在は米国で服役中の水原一平受刑者についても言及した。

 KEI氏は1961年生まれ、東京都出身。新宿・歌舞伎町の少年ヤクザから暴力団員となり、バブル期に経済的な成功を収めるが、ハワイでFBIのおとり捜査によって、本人の意図しない形で不利な立場に追い込まれて逮捕され、米国の刑務所で10年以上も服役。獄中で「チカ-ノ」と呼ばれる米国系メキシコ人によるギャングたちと交流し、2001年に出所して日本に強制送還された。その後は神奈川県を拠点に、アパレルブランドの経営、漫画原作者や作家として活動しながら、「一般社団法人Homie子ども未来育成会」代表理事として非行や児童虐待、いじめなどの社会問題に取り組んでいる。

 まず、作品の舞台となった米国の刑務所について、竹内が日本との違いを問うた。KEI氏は「IDカードがキャッシュカードの役目もしていて、所内で買えない物はないです。看守や仲間を通じて(スニーカーのブランド)エアマックスも買えるし、ヘロインも手に入る。皆が武器を持っていて、殺人もある。ギャンブルも当たり前のように行われています」と証言した。

 当時は人種差別も根強かった。「中国人も韓国人もベトナム人も日本人もみんな同じ言葉をしゃべって、同じ生活をしていると思われている。言葉が違うことも理解していなくて、白人も黒人もメキシカンも、オリエンタルの人を全て『チノ』と呼ぶんです」。同氏はアジア系としての厳しい実体験を元に解説した。 

 刑務所内ギャンブルはスポーツも対象。「テレビで野球(MLB)やバスケット(NBA)などの試合をやっていたら、それに賭ける。特にアメフト(NFL)、それも『スーパーボウル』の時は全員、仕事が休みで、刑務官と囚人が金を賭けます」。プロスポーツだけでなく、囚人による野球のリーグ戦も対象となる。KEI氏がカリフォルニア州の刑務所で率いたチームは「9連覇」という昭和40年代の巨人ばりの強さを発揮したという。

 「A、Bリーグがあり、1軍にあたるAリーグで6チームくらい、年間90~100試合やります。自分のチームは9年間ずっと優勝しました。毎朝、やって来る(囚人)の中からキューバ人とか野球のうまそうな人をスカウトする。それまで白人のチームが優勝していたんですけど、黒人(アフリカ系米国人)、キューバ人、ドミニカ人とか多様な人種を集めて本気で野球をやって強くなった。刑務官も賭けていて、夜になると『明日、何点差で勝つ?』とか次から次に自分の所まで聞きに来るんです。お金がかかっているので試合中に乱闘もある。野球だけで毎月4000ドルぐらい、刑務所の中で自分はお金を稼ぎましたね」

 「スポーツ、賭け、刑務所」という話の流れは水原受刑者を想起させた。銀行詐欺や虚偽の税務申告などの罪で禁錮4年9月の実刑判決が確定し、米ペンシルベニア州連邦刑務所で服役中。「彼は日本に戻って来られないでしょうね」との質問が入ると、KEI氏は「いや、日本に戻ってきます。刑が終わったら強制送還なので。それで、アメリカには入れなくなる」と説明した。

 その上で、KEI氏は当サイトの取材に対して「ペンシルベニアの刑務所は『レベル3』。自分がいた所は『レベル5』で懲役888年とか終身刑みたいな人ばかりでしたが、彼が入っている所は2~3年くらいの人が多い。逆にそういう所は足を引っ張ったり、泥棒したり、お互いに敬意が全くない。日本の刑務所だったら年上を敬う気持ちがありますが、アメリカはないので」と、その環境を説明した。

 刑務所内でギャンブルに手を出して負債を抱えると“命取り”になるという。KEI氏は「1000ドルだろうが1ドルだろうが金額に関係なく、約束した日に1ドルでも払えなければ『メンツをつぶされた』ということで殺されます。自分の身を守る方法は『身の丈』に合ったことをするだけ。100ドルしかなければ100ドルまでの遊びをする。そのルールさえ守れば殺されることはないが、ギャンブルする人は負けると倍々かけていく。それが膨らんで払えないと殺されちゃうわけです」と付け加えた。

 KEI氏の体験談に対し、竹内は「日本じゃ、考えられない。漫画みたいですね」と実感を込めた。司会者に「漫画になってます!」とツッコまれると、竹内は「えっ、漫画になってんの!」と豪快なボケで会場の爆笑を誘い、9月に新刊が発売された盟友の原作漫画をアピールした。

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