つくばみらい市に暮らす会社員のAさんは、都内への通勤につくばエクスプレスを利用している。最寄りのみらい平駅は、守谷駅の1つ先だ。
平日の夕方、秋葉原発の列車のおよそ4割は守谷止まり。そのため、自宅まではあと1駅という状況なのに、なかなか電車に乗れなくて歯がゆい思いをすることが多い。
では、なぜ守谷止まりの列車はこれほど多いのだろうか。その理由の1つをたどっていくと、茨城県石岡市にある「地磁気観測所」に行き着くようだ。
そこで、守谷止まりの列車が多い理由と地磁気観測所との関係について、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道の広報担当者に聞いた。
―なぜつくばエクスプレスでは、守谷付近で電車を動かす電気の仕組みが変わるのでしょうか。
つくばエクスプレスでは、秋葉原〜守谷間を直流1500V、守谷〜つくば間を交流20,000Vで電車を運行しています。
守谷〜みらい平間には、直流から交流へ切り替わる区間があります。
このような方式が採用されている背景には、地球規模の観測を行っている茨城県石岡市柿岡にある気象庁の「地磁気観測所」があります。
―鉄道と地磁気観測には、どのような関係があるのでしょうか。
電車を走らせるための電流は通常レールを通って変電所へ戻りますが、その一部が地面へ漏れることがあります。
電流が流れると磁界が発生するため、地磁気観測に影響を与える可能性があります。特に直流電化方式では漏れ電流による影響が広範囲に及びやすいことから、気象庁の柿岡地磁気観測所周辺では、地磁気観測への影響を抑えるために交流電化方式が採用されています。
つくばエクスプレスの守谷〜つくば間が交流電化となっているのは、地磁気観測への影響を抑えることが大きな理由の1つです。
―守谷止まりの列車が多いことと、直流・交流が切り替わることには、どの程度関係があるのでしょうか。
つくばエクスプレスには、直流区間のみを走行できるTX-1000系と、直流・交流の両方に対応したTX-2000系およびTX-3000系があります。
TX-1000系は交流区間を走行できないため、運行区間は守谷までとなります。そのため、守谷止まりの列車が設定される要因の1つとして、電化方式と車両性能の違いが挙げられます。
一方で、守谷止まりの列車については、車両性能の違いに加え、利用状況や輸送需要、車両運用、ダイヤ編成などを総合的に考慮して決定しています。ただし、実際の列車本数や運行区間は、利用状況や輸送需要、車両運用、ダイヤ編成なども総合的に考慮して決定しています。
―守谷〜みらい平間で直流から交流へ切り替わる際、車両ではどのようなことが起きているのでしょうか。乗客が気づくような変化はありますか。
守谷〜みらい平間には、直流区間と交流区間の境界部分に「デッドセクション」と呼ばれる無電化区間が設けられています。
架線に異なる電気を同時に流すことができないため設けられているもので、列車はこの区間に入るとモーターへの電力供給を止め、惰性で走りながら直流から交流へ切り替えます。切り替えは自動で行われ、乗客が大きな変化を感じることはありません。
車内の照明も消えませんが、空調など一部の機器が一時的に停止するため、注意していると電気が切り替わったことに気づく場合があります。
<首都圏新都市鉄道 関連情報>
▽つくばエクスプレスHP
https://www.mir.co.jp/