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娘の結婚式で有給休暇を申請→「その日は休めません」まさかの拒否→会社が断れる条件とは【社会保険労務士が解説】

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3カ月後に一人娘の結婚式を控えていた会社員のAさんは、上司に「結婚式当日は仕事を休ませてほしい」と有給休暇を申請した。ところが上司から返ってきたのは「その日は別の社員が休むから無理」という一言だった。

Aさんが勤めるのは、従業員12人ほどの小さな会社。普段は8人ほど出勤していれば仕事が回るため、まさか休めないと言われるとは思っていなかった。

そこでAさんは、その日に休暇を取っていた同僚に休みを代わってもらえないか相談をする。しかし、同僚にも断られてしまったAさんは、「このままでは娘の結婚式に出席できないじゃないか…」と頭を抱えるのだった。

Aさんのように、希望する日に有給休暇を取得できない場合、どのように対応すればよいのだろうか。社会保険労務士の熊谷知直さんに話を聞いた。

会社が有休を変更できるのは「事業の正常な運営を妨げる」場合

ー有給休暇を娘の結婚式などで取得したい場合、会社は拒否できるのでしょうか?

年次有給休暇は原則、労働者が希望する時季に理由を問わず取得できます。

会社が別の日に変更できるのは、労働者に有給休暇を与えることで、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。これを「時季変更権」といい、同じ日に多くの従業員が休暇を希望する場合などには、会社が別の日への変更を求めることができます。

なお、「事業の正常な運営を妨げる場合」に当たるかどうかは、会社の規模や業務内容、本人の担当業務などを踏まえて、個別に判断されます。

ー上司から一方的に「その日は休めない」と断られた場合、従業員はどのように対応すればよいのでしょうか?

まずは、なぜその日に休暇を取得できないのか、会社側の具体的な理由を確認してください。

会社が時季変更権を行使できるのは、あくまで事業の正常な運営を妨げる場合です。単に「忙しい」「人手が足りない」というだけでは認められません。

それでも会社との話し合いで解決しない場合は、労働局の総合労働相談コーナーや社会保険労務士など、第三者に相談することをおすすめします。

ー会社とトラブルにならないためには、どのような手順で休暇を申請するのが望ましいでしょうか?

会社の就業規則や休暇申請のルールを確認したうえで、できるだけ早めに申請することが大切です。結婚式など日程変更が難しい予定の場合は、あらかじめ会社側に事情を伝え、業務の引き継ぎやスケジュール調整を相談しておくとよいでしょう。

また、口頭だけではなく、申請書やメールなど記録が残る方法で申請することも重要です。

ー家族のライフイベントと仕事を両立するためのアドバイスをお願いします。

結婚式や入学式、介護など、家族にとって大切な予定は、早めに会社へ伝えておくことが大切です。有給休暇は労働者の権利ですが、職場の状況によっては会社側にも調整が必要になることがあります。

一方で、正当な理由なく有給休暇の取得を妨げられた場合には、我慢して諦める必要はありません。会社の対応に疑問を感じたら、労働局などの相談窓口を利用してください。

◆熊谷知直(くまがい・ともなお) 社会保険労務士/社会保険労務士法人熊谷綜合労務事務所
北海道札幌市を拠点に活動。2006年に独立開業し、現在は社会保険労務士法人を運営。オンライン全盛の時代だからこそ顧客と直接顔を合わせることを大切に、地域に根差した労務支援を実践。労務相談をはじめ評価制度構築やセミナー講師などにも取り組んでいる。

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