「脱いだ服は洗濯かごに入れて」と何度注意しても、毎回脱ぎ散らかしたまま放置する夫。「わざと無視しているのか」「私の言ったことを軽視しているのか」と怒りや虚しさが限界に達してしまう妻は少なくない。
何度注意しても同じミスを繰り返す夫には、一体どのような心理が働いているのか。また、妻側のイライラを解消し、自発的な行動へ導く仕組み作りはできないのだろうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞いた。
ー何度注意しても脱いだ服を放置する夫…「わざと無視している」のでしょうか?
「脱いだ服は洗濯かごへ」と何度言っても繰り返す夫に、悪気は全くありません。服を脱いでいる際、頭の中では別のことを考えており、無意識にその場へ放置しているだけなのです。
また、妻が片付けてくれていても、夫側は「妻に片づけてもらっている」という認識すらないでしょう。むしろ、「いつの間にか片づいているので、散らかしたとも思っていない」のではないでしょうか。注意されても本人は無意識の行動であるためピンと来ておらず、妻を無視したり意地悪で放置しているわけではないことを理解することが第一歩です。
ー「何回言ってもダメ」と怒りと虚しさが限界に…イライラを鎮める考え方は?
大前提として、他人を変えることはできないため、まずは「自分を変える」ことに集中しましょう。家全体を整理整頓しようとせず、まずは自分だけの専用スペースを整えます。時間の許す限り、少しずつ行うのがポイントです。
自分の場所が綺麗であれば、夫が散らかしていても「夫の場所だけが散らかっている」と割り切ることができ、ストレスは軽減されるでしょう。自分を心穏やかに保つ環境作りこそが、最大のイライラ解消法です。
ー口頭で注意する代わりに、脱ぎ散らかしを防ぐ有効な「仕組み」とは?
夫の動線に合わせた「仕組み作り」が効果的です。洗面所にしか洗濯かごがない場合、そこまで移動する手間を面倒に感じて脱ぎ散らかしてしまいます。そこで、夫が実際に服を脱ぐ場所に直接洗濯かごを設置してみましょう。
数歩移動する手間すら省ける位置にかごを用意することで、無意識のまま放り込めるようになります。夫の意識を変えようとするのではなく、片付けやすい環境側を工夫することが失敗を防ぐ秘訣です。
ー夫を責めずに改善へ導くための接し方や工夫は?
「何回言えばわかるの?」といった責め立てる言い方は相手を萎縮させ、反発を生むだけです。まずはかごを設置するなど環境を整え、夫がかごに服を入れた時に「ありがとう」と感謝や労いの言葉をかけましょう。
また、妻がいつも部屋や身の回りを綺麗に整え、必要なものがすぐ出てくる快適な状態を見せることも有効です。「自分も整えたい」と夫が自発的に思えるようなお手本を示し、できた行動に対して前向きなフィードバックを与えることが改善への近道です。
◆木下雅子(きのした・まさこ)行政書士、心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。