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銭湯の脱衣所でスマホは正直やめてほしい→「撮ってないから問題ない」は通用するのか?【弁護士が解説】

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OLのAさんは仕事帰りに銭湯を訪れていた。入浴を終えて脱衣所で着替えていると、少し離れた場所にいた女性がスマートフォン(以下、スマホ)を取り出し、操作している様子に気付く。

その女性がスマホで何をしているのかまでは、Aさんの視点ではわからない。メールを返しているだけかもしれないし、SNSを見ていただけの可能性もある。実際にカメラをこちらに向けていたわけでもない。

ただ、裸の人が多い脱衣所でカメラ付きの機器を平然と取り出していることに、Aさんは恐怖を覚えた。

このように、たとえ脱衣所でスマホを操作していても、カメラさえ向けていなければ法律上の問題にはならないのだろうか。ベリーベスト法律事務所の齊田貴士弁護士に話を聞いた。

―銭湯の脱衣所であっても、単にスマホを操作しているだけであれば、法律上は問題にならないのでしょうか?

銭湯の脱衣所であっても、スマホの操作自体が罪に問われるわけではありません。2023年施行の性的姿態撮影等処罰法では「ひそかに人の姿態を撮影する行為」が処罰対象とされています。

メールの返信やSNSの閲覧など、撮影を伴わない操作は処罰の対象外です。ただし、プライバシー保護の観点からスマホの持ち込みや使用を独自に制限している銭湯も存在します。

その場合は法律とは別に、施設のルール違反として注意を受ける可能性があります。

―カメラを起動する、スマホを人の方に向けるなど、撮影目的を疑わせるような行動があった場合はどうでしょうか?

その場合は実際に撮影が完了していなくても、法律上の問題になり得ます。岐阜県や秋田県などの迷惑防止条例では、撮影目的でカメラを向けたり設置したりする行為自体が禁止されています。実際に写真が撮れたかどうかは関係ありません。

性的姿態撮影等処罰法にも未遂罪の規定があり、たとえば浴室へ向かう人にカメラを構えた時点で処罰の対象になり得ます。「データが残っていないから安全」とは言い切れず、カメラを向けた・起動したという行動そのものが重視されるのです。

―脱衣所でスマホを操作している人を見かけて不安を感じた場合、利用客としてはどのように対応するのが適切でしょうか?

勘違いだった場合のトラブルや逆上のリスクがあるため、その場で本人に直接注意するのは、あまりおすすめできません。

まずは施設のスタッフに、見かけた時間や場所、相手の服装や特徴などをできるだけ具体的に伝えて相談するのが安全です。明らかにカメラをこちらに向けているなど、盗撮が疑われる状況であれば、その場で警察(110番)に通報するのも1つの手です。

自分1人で判断せず、施設側や警察といった第三者の力を借りることを優先しましょう。

◆齊田貴士(さいだ・たかし) 弁護士
神戸大学法科大学院卒業。 弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。 離婚事件や労働事件等の一般民事から刑事事件、M&Aを含めた企業法務(中小企業法務含む。)、 税務事件など幅広い分野を扱う。その分かりやすく丁寧な解説からメディア出演多数。

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