双子ピアノユニットで知られる「兄ーズ(annies)」の山下順一朗(兄)・宗一郎(弟)がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。生まれつき重症心身障害のある9歳下の弟の影響を受けて医師の道を志し、25年3月に2人そろって現役で医学部に合格。現在は医大生とピアニストの双方で活動している彼らが、音楽の道に進んだきっかけ、今の思いなどについて語った。
父が会社の帰りに電子ピアノを買ってきたことが始まりだった。父は幼少期にピアノを習ったことがある程度で、母は全くの未経験。両親とも会社員で音楽一家ではなかった。
順一朗「父が会社の飲み会で酔っぱらって、その勢いで買って帰ってきたらしくて。次の日、父と母はすごいケンカしたらしいんですけど、僕らがピアノをやればいいという話になって」
2歳から絶対音感のトレーニングを行い、4歳からクラシックピアノを本格的に開始した。当時住んでいたマンションの隣の隣がピアノ教室。
宗一郎「もう、好条件。通うのに傘はいらないので」
最初はお互いにソロで弾いていたが、全国大会に出場できるほどの実力がつき、周囲から「双子だから連弾をやってみたら」と勧められて始めた。
宗一郎「小学校4年生の時に連弾のコンクールに出たら、結構、うまくいって。そこからずっとやっているという感じです」
息を合わせるのが、連弾の難しさの1つ。通常は合図を決めて弾き始めるのが、2人にはないという。
宗一郎「友達と弾くと結構、合いづらいので、こう合図したら入るというのを決めるんですけど、僕らはお互いに相手が来るのが何となく分かるというのはありますね」
双子だからこそできる演奏だが、練習中にぶつかることもある。
宗一郎「『何回も言っているのにやれよ』とか、お互いのミスが直らないとか」
順一朗「あとは意見のぶつかり合い。論争ですよね」
宗一郎「こっちの方が絶対にいいとか、お互いに引けない部分もあるので。そういうときは、お互いの意見をハイブリッドさせて、よりよい高次元なものを生み出していくという」
ケンカをしながらも、演奏をより高めたいという気持ちは同じ。自然と仲直りしているという。
順一朗「時間が解決してくれますね」
宗一郎「お互いに『ごめんなさい』は絶対に言わないんですけど、2時間もあれば仲直りするんですよ」
順一朗「『ちょっとゲームやんね?』みたいな感じで。一緒にやったらもう忘れるみたいな」
好みも女性のタイプも違う。犬派の順一朗と猫派の宗一郎。髪形もパーマとカラー。好きな女性は浜辺美波とエマ・ワトソン。
宗一郎「全然タイプが違うから、良かった~と思って。ライバルだったら、負けず嫌いが発動して、いろいろとこじらせますから」
順一朗「女の子の前でプライドをこすりつけ合うって、ダサすぎる」
宗一郎「だから、(タイプが違うのが)いいんです」
29、30日の日本テレビ系チャリティー番組「24時間テレビ49―愛は地球を救う―」に出演。俳優の山崎育三郎と医療的ケア児や家族のための企画に取り組む。
宗一郎「超有名な番組で大舞台。そこで『兄ーズ』の良さを知ってもらえるように頑張ります」
順一朗「音楽は人の支えになったり、感情に寄り添えたりすると思うんです。うれしいときに聞いたら、よりうれしくなるし、悲しいときに聞いたら、和らいでくれる。いろんな感情に寄り添ってくれる音楽の力強さを、みなさんに知っていただけたらなと思います」
小学生の頃から病院や児童発達センター、保育園などでボランティア演奏活動を行い、「兄ーズ」として24年3月にデビューし、大学合格後の25年7月にメジャーデビュー。医大生として勉学に励みながらも、ピアニストとしてコンサート活動を続ける。
宗一郎「僕たちのコンサートは、いろんなジャンルの曲を演奏することで、いろんな方に楽しんでほしい。そして、皆さんと一緒に音楽を楽しみたいという一体感。このコンセプトの軸を持って準備しているので、ぜひ会場で皆さんと一緒に音楽を作って、楽しんでいただけたら」
順一朗「医師とピアニストの二刀流に向かって、着々と頑張っていくので、応援よろしくお願いします」
自分たちの思いを乗せて音楽を届けていく。
◆兄―ズ(annies) 山下順一朗・宗一郎(やました・じゅんいちろう、そういちろう)による双子ピアノユニット。2006年7月20日生まれ、東京都出身。2歳から絶対音感トレーニング、4歳よりクラシックピアノ習得。大阪国際音楽コンクール連弾部門優勝、ピティナ10部門全国決勝出場、ショパンコンクール・インアジアアジア大会ファイナリスト。難病の弟の影響を受け医師を志し、 2025 年3月に医学部に現役合格。同年7月メジャーデビュー。医大生ピアニストとして音楽と医療の双方で活動中。