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上司の良かれと思った助言→「攻撃」と思ってしまいパニック→陥る正体と心を守る思考法【臨床心理士が解説】

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ある日、仕事熱心なAさんは会議で出した案に対し、上司から「ここを修正したほうがいい」と助言を受けた。しかしAさんの頭の中は「自分の努力が足りないと言われた」「無能だと思われた」という思考でいっぱいになり、パニックと自己嫌悪で素直に「ありがとうございます」が言えないでいた。

Aさんのように、自身への助言を「自分への攻撃」と捉えてしまう人は少なくない。このように考えてしまうのはなぜだろうか。臨床心理士・公認心理師でもある恋活・婚活スクール【and her】の田口ともさんに話を聞いた。

ーなぜ脳は、良かれと思った助言を「攻撃」と誤認してしまうのでしょうか?

「自分の出した案(行為)」と「自分自身(人格)」を、頭の中でイコールで結んでしまっているからです。Aさんのように一生懸命に努力して生み出した案であるほど、そのアウトプットに対して強い愛着や責任感を持っています。

そのため、「案を部分的に修正された」という事実を、まるで「自分自身の存在やこれまでの頑張りを全否定された」かのように錯覚し、脳が過剰な防衛アラームを鳴らしてしまうのです。助言そのものは「ブラッシュアップのための意見」ですが、心が過敏に反応することで「攻撃」に化けてしまいます。

ー「素直に聞けない人」に共通する心理的な特徴や背景を教えてください。

「常に完璧でなければ価値がない」という、白黒思考(0か100かの思考)のクセが考えられます。素直に受け取れない人は、決して我が強いわけではなく、むしろその背景には「1つでもダメ出しをされたら、自分の仕事は0点(=自分は無能)」という極端な認知の歪みが潜んでいます。

また、幼少期から成果を出した時だけ褒められるような「条件付きの承認」の中で育った場合、完璧にこなせない自分には居場所がないという恐怖を抱きやすくなります。「素直に聞けない」のではなく「危険から必死に身を守っている状態」といえます。

ー自己肯定感の低さが、アドバイスの受け取り方にどう影響するのでしょうか?

自己肯定感が低下しているとき、心のレンズは「私はどうせダメだ」という色に曇っています。そのため、上司が「ここを修正したほうがいい(=もっと良くしよう)」という事実を伝えているだけの場面でも、「お前は仕事ができない」「努力が足りない」という存在否定の言葉に歪んで翻訳されてしまうのです。結果として、相手が意図していないメッセージに一人で傷つくという悪循環が生まれます。

ー助言を「人格否定」ではなく「単なる情報」に変える思考のコツはありますか?

すべてを自分の受け取り方のせいにせず、「課題を半分こ」で考えることです。「また私がネガティブに受け取っちゃった」と自分を100%責める必要はありません。なぜなら、相手の「言い方」や「態度」に問題があるケースも多いからです。

そんな時は、頭の中で「内容は参考にするけど、トゲのある言い方は上司の人間性の問題(=私のせいじゃない)」と捉えてみてください。自分を責める代わりに相手を非難する権利を自分に許し、責任を「半分ずつ」に分けることで、自分の人格を守りながら、必要な情報だけを抜き取れるようになります。

上司の言葉をすべて飲み込む必要はありません。自分に役立つ「情報」だけを選び取る、そのくらいのわがままさを持っていいのです。

◆田口とも(たぐち・とも) 臨床心理士/公認心理師/LCIQ®︎診断士
「どうせ自分なんて恋愛も結婚もできない…」と自信をなくしている方の背中をピシッとさせてポンッと押したい、という想いから恋活/婚活スクール【and her(あんどはあ)】を運営。あなたを「また会いたい」そして「ずっと一緒にいたい!」と思われる人に育てます。

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