台風6号が日本列島に接近している。2日から3日にかけて本州に最接近すると予想され、気象庁などは暴風や大雨への警戒を呼びかけている。今回の台風について、一部の報道では「チャンミー」という呼称も使われている。この台風の「名前」は、発生するたびに新しく考えられるのではない。実は、あらかじめ決まったリストから順番に付けられている。
気象庁によると、台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていたが、北西太平洋と南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織「台風委員会」(日本を含む14の国・地域が加盟)が、2000年からこの海域の共通の名称としてアジア名を付ける運用を開始した。各国間の連携強化や相互理解の促進に加え、共通の呼称を用いることで防災情報をわかりやすく伝え、住民の防災意識を高めることを目的としている。
リストは、加盟する各国・地域がそれぞれ10個ずつ提案した名前で構成され、14カ国×10個=140個ある。2000年の台風1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、以後、発生順に140個を割り当てている。140番目の次は再び「ダムレイ」に戻る。台風の年間発生数の平年値は25.1個。およそ5~6年で台風のアジア名が一巡することになる。
今回の台風6号「チャンミー(韓国でバラの意)」はリストでは67番目。台風7号が発生すれば、68番目の「メーカラー(タイで“雷の天使”の意)」という呼び名になる。
リストでは、日本からは「コイヌ」「コト」「クジラ」など、星座名に由来する名前10個が提案されている。特定の名称や商標と被らず、中立的で自然をイメージすること、アルファベット9文字以内などの条件から星座名を用いている。
あらかじめ決まっている台風の名前だが、永久に使われるわけではない。甚大な被害をもたらした台風の名前は、台風委員会の要請で以後の台風に使用しないよう変更することがある。2024年にミャンマーやフィリピンなどで多くの死傷者・被害を出した台風11号「ヤギ」(日本が提案した名前)が「トモ」に差し替わるなど、2026年は9件の名称が新しくなっている。
名前が付くことで少し身近にも思える台風だが、用心すべき自然災害であることに変わりはない。気象庁は「台風が温帯低気圧に変わるときに、暴風域が急速に広がることもあります」など、避難・防災の心構えもホームページやリーフレットで紹介している。本格的な台風シーズンを迎える季節、耳慣れないアジア名を聞いたら、嵐への備えと防災意識を高めて安全に努めたい。