駐日イラン大使館が4月29日、公式X(旧ツイッター)を更新し、1953年の「日章丸事件」に触れた。
同日までにイラン国営メディアが、出光興産の子会社が運航しているタンカー「出光丸」がイランの許可を得た上で、原油を積んでホルムズ海峡を通過したと報じていた。
イラン大使館のXは「出光興産が所有する日章丸の1953年の歴史的な任務-イラン産石油を日本へ輸送したこと-は、両国間の長年にわたる友情の証として残っています。この遺産は今なお大きな意義を有しています。」とコメント。日章丸と新田辰夫船長の顔の画像を掲載し、友情を強調した。
「日章丸事件」が起きた1953年当時、イランの石油利権は英メジャーが独占する形となっていた。イランは1951年に石油の国有化を宣言したが、英海軍が海上封鎖し、事実上の禁輸措置が取られていた。
そんな中で出光興産の出光佐三社長が極秘で交渉を進め、イランの石油輸入を決行。英海軍の包囲網をくぐり抜けて輸入に成功した。
出光佐三氏の半生を描いた百田尚樹氏の小説で、2016年には映画化もされた「海賊とよばれた男」でもクライマックスの1つとなった場面だ。映画版では日章丸の新田船長は俳優・堤真一が演じていた。百田氏は自身のXで「『海賊とよばれた男』は書きながら何度も泣いた本ですが、その場面は泣くというよりも震えました。全て事実なのですから!」と日章丸事件について言及していた。