多汗症(手汗・脇汗・足汗など)は日本人の約5~7%が罹患するとされる疾患だが、「体質だから仕方ない」と諦めている人が多い。特に冬場は「寒いのに汗をかく」ことへの周囲の理解が得られにくく、精神的な負担も大きくなる。医療法人社団鉄結会はこのほど、多汗症に悩みを持つ全国の20~50代の男女300人を対象に多汗症についての調査を実施、結果を公表した。
冬場(11月~2月頃)でも多汗症の症状に悩んでいるかを尋ねたところ、「冬でも変わらず悩んでいる」「夏より軽いが悩んでいる」を合わせると72.3%に達し、多汗症が季節を問わない慢性的な悩みであることが明らかになった。暖房の効いた室内や緊張する場面での発汗に苦しむ人が多いようだ。
最も悩んでいる多汗症の部位では、脇汗と手汗で全体の71.0%を占め、対人関係や仕事に直接影響する部位での悩みが深刻であることが分かる。特に手汗は書類や電子機器を扱う際に支障が出るため、日常生活への影響が大きいと考えられる。
一方で、多汗症が「医療機関で治療できる病気」であることを知っているのは、合わせて28.7%にとどまり、7割以上が多汗症の治療について十分な知識を持っていない。また、実際の治療経験者は8.3%と非常に少なく、「受診したことがない」が73.0%と大多数を占めている。「検討している(18.7%)」を加えると、潜在的な治療ニーズは高いものの、受診行動に至っていない現状がうかがえる。
治療を受けない(受けなかった)理由では、「何科を受診すべきかわからない」が最多で、情報不足が受診の大きな障壁となっている。多汗症は皮膚科・形成外科で診察可能であり、また重度腋窩多汗症のボトックス治療には保険適用があることなど、正確な情報提供が受診率向上に必要だ。