どんなに歳を重ねても、格好つけて生きたい気持ちは変わらないのかもしれない。漫画家・稲空穂さんの作品「特別じゃない日 おばあちゃんのレシピ」より抜粋エピソード「カッコつけたい」は、硬派な高齢男性と家族の思い出をめぐる物語だ。
デイサービスに通う茂は硬派なおじいちゃんで、妻が「いってらっしゃい!」と声をかけても返答なく行ってしまう。その後お薬をあずけ忘れた妻はデイサービスに寄り、職員と会話する。
妻は茂が「最近ふさぎ込んじゃってる感じがする」と話すと、職員は「それ、すねているだけかも。男の人ってかっこつけてたいものらしいわよ」と話す。かつて日用品や食品をあつかう商店の店主だった茂。とくに茂の作るカルメ焼きは評判で、地域の子どもたちに親しまれていた。
そこで妻の提案で、デイサービスのおやつとして茂にカルメ焼きを作ってもらうことに。茂はコンロとカルメ焼き用のおたまを見ると、あの頃と同じように手際よく見事なカルメ焼きを作ってみせる。カルメ焼きを作る茂の姿は、どこか誇らしそうだった。
読者からは「頼られるって嬉しいものよね」「その人らしく生きるって大切」などの声があがっている。そこで、作者の稲空穂さんに話を聞いた。
―同作で、とくに見て欲しい場面やお気に入りの部分を教えてください
「カッコつけたい」で主役となっている夫婦は、いわゆる昭和世代の夫婦で、素直に気持ちを伝えるのが得意ではない、という点を意識して描きました。
特に夫はセリフが少ない分、表情で気持ちを表せるように意識して描いたため、表情の変化を見ていただけたらとても嬉しいです。
―おじいちゃんのモデルになった方はいらっしゃるのでしょうか
私の祖父母が、ちょうどこの世代にあたります。
祖父は最近、車いすでの生活となり、祖母が寄り添いながら日々を過ごしています。
車いす生活になってからの苦労や、関わってくださった方々の優しさを感じたことなど、祖母から話を聞いていました。
描き進める中で、私自身も祖父母との向き合い方を改めて考えるきっかけとなりました。
―最後に、作品やSNSなど宣伝をお願いいたします
「特別じゃない日」は、シリーズを通して一話完結のオムニバス漫画です。
物語の中では大きな事件や登場人物のドラマティックな感情の変化はありませんが、読んでくださった方がご自身の経験や大切な人を思い出すきっかけになれば嬉しく思っています。
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