デヴィッド・ボウイやミック・ジャガー、デュラン・デュランを手がけた英国のファッションデザイナー、アントニー・プライスが12月16日に死去した。80歳だった。最後のファッションショーを1カ月前にロンドンで開催していたばかりで、リリー・アレン、マルコ・カパルド、アドワ・アボア、ベス・ディットー、フィリップ・トレーシー、そしてデュラン・デュランのキーボーディスト、ニック・ローズらが出席していた。
プライスは長年にわたりデュラン・デュランの衣装を手掛け、代表曲『リオ』のミュージックビデオでメンバーが着用したパステルカラーのシルクスーツをデザインしたことでも知られる。訃報を受け、ローズは「先見の明のあるファッションデザイナーで、並外れた技術力を持っていた。アントニーほどグラマーなスタイルを巧みに表現できる人はいなかった」と追悼の言葉を寄せている。
1945年にイングランド北部ウェストヨークシャーのキースリーで生まれたプライスは、60年代初頭にロンドンへ移り、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだ。卒業から1年後にはメンズウェアブランドのスターリング・クーパーでデザイナーとして働き始め、1969年にはザ・ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」ツアーでミック・ジャガーが着用したボディラインを強調するボタン付きパンツを手がけ、音楽界との関わりを深めていった。
1979年には自身のブランドを立ち上げ、翌年にはジェリー・ホールをモデルに迎えた初のショーを開催。ジェリーは1990年にバリ島で行われたミックとの結婚式でも、プライスがデザインしたドレスを着用した。
またプライスはデヴィッド・ボウイの衣装を数多く制作したほか、90年代以降はカミラ王妃の衣装も多く手掛けていた。