フィンランドの駐日大使館が15日、公式X(旧ツイッター)アカウントを更新。フィンランドの議員が行った一連のSNS投稿について、異例の声明を出した。
問題となったのは、今年の「ミスフィンランド」に選ばれた女性が11月にあげたSNS投稿。目の端を釣り上げるようなつり目のポーズを投稿していた。いわゆる“つり目”のポーズは欧米などでアジア人への差別として知られていることもあり、物議を醸していた。
当該女性は「頭痛がしたため、こめかみをもんでいた」と弁明したが、炎上は収まらず。今月11日には「攻撃的、有害でミスコンの価値観に反した。人種差別はどのような形でも受け入れられない」として優勝を取り消されている。この動きに反発するように、連立与党の一部の議員が女性に連帯を示し、女性と同様のポーズの写真をSNSで公開。これにより、さらに大きな物議を醸していた。
これらの流れを受け、フィンランド大使館はX上で「ここ数日、フィンランド大使館には人種差別へのフィンランドの取組みに関し、数多くの意見や質問が寄せられています」と多数問い合わせがあったことを発表。そして「個々の政治家の発言は、フィンランド政府の公式見解を構成するものではありません。政府は、平等と差別撤廃を推進し、人種差別と闘うことに尽力しています」とあくまでフィンランドとしての総意ではないことを強調した。
最後には「人種差別は人種差別はフィンランド社会において依然として課題であり、その解決には継続的かつ断固たる努力が必要です。人種差別や差別に関する経験や知見を、公の場で議論することが重要だと考えています」と説明していた。
また同大使館はフィンランド国内の記事も引用。14日に行われたフィンランドのペッテリ・オルポ首相の記者会見内で、一連の議員のSNS投稿について「議員は品位ある行動の模範を示すべきであり、これらの写真はそれに反する」と述べたことを公表している。