筋肉の動きを抑えしわを減らすボトックス注射で老化に抗う女優たちについてフランシス・フォード・コッポラ監督(86)が英「テレグラフ」紙に意見を述べた。「恐ろしいことだ。若さの輝きは27歳にある。しかし女性はどの10年単位でも美しい。美しくない女性の年齢など存在しない」とコメント。「私は幸運にも何人かの90歳になる女性たちをランチに招くのをいつも楽しんだ。彼女たちは魅力的で、自らの人生について語ってくれるからね」と“年上”についても語った。
更にボトックスによる治療で人間らしさまで失うとコッポラ監督は警鐘を鳴らしている。「花であるのに、つぼみのようになろうとするな。ほんの少し手を加えたところで、それがたるんだら、更に手を加える。終いにはもはや人間らしくもない姿になってしまう!」と歯止めがきかなくなること危惧した。
今回のインタビューでコッポラ監督は先立たれた妻エレノアさんについても言及していた。「彼女を亡くしたのは1年前だ。一番の一緒の時間はいつも朝だった。人生を通じて、感情的に支え合える相手がいたんだ。だから今は、自分がどこにいるのかさえわからないよ」と寂しさを隠さなかった。「彼女との日々の会話から本当に多くのことを学んだ。コンセプチュアルアートについて教えてくれた。何でもアートになり得るってね。ジャガイモの皮をむく行為さえアートになり得ると。当時は自分が聞いた中で一番馬鹿げた話だと思っていたよ。でも理解できなくても、同意できなくても、興味深いものだった」と妻から学びがあったことも振り返った。
そんな最愛の妻の死と向き合うためにコッポラ監督は現在、詩を書くことから一日を始めているという。「毎朝、ポジティブな言葉を10個リストアップして、それを詩にまとめている。新しい言葉も覚えるからね。言葉の新たな供給源を見つけるのは難しいんだ」と語った。