国民民主党の榛葉賀津也幹事長が28日、国会内で定例会見を行い、高市早苗首相の台湾有事に関する発言について「絶対に撤回しちゃダメです」とコメントした。
高市首相は11月7日の衆院予算委員会で、立憲民主党の岡田克也氏の繰り返しの質問に対して「台湾有事が存立危機事態に該当し得る」と答弁していた。高市氏は「例えば海上封鎖を解くために米軍が来援をする」と前提しており、あくまで米軍が行動し、攻撃を受けるなどした場合と仮定した上での“可能性”についての答弁だった。しかし、これに中国側が反発し、薛剣(せつけん)駐大阪総領事はXに「汚い首を斬ってやる」などと書き込み。その後も中国側は強硬姿勢を続けている。
立憲民主党・野田佳彦代表は26日の党首討論後のぶら下がり取材に対して「(高市氏が)具体例を言わなくなった。事実上の撤回だと受け止めた」とコメントしていた。
榛葉氏は28日の定例会見で高市氏の発言について質問され「中国もだいぶ焦ってるんじゃないですかね」と分析。「この問題をこれ以上、わが国で蒸し返すべきではないと思います」と考えを示した。「『この発言を撤回しろ』などという人がいますが、絶対に撤回しちゃダメです。それ中国の思うつぼですから」と言葉に力を込めた。
「総理も慎重に発言すると同時にX等の発信はですね、もう公人ですから、極めて慎重にやるべきです」とアドバイス。その上で「一般論として今までの(政府見解の)ラインと大きくずれた発言は総理はされてませんし、われわれの存立危機事態になれば、しっかりと法にのっとった行動を取るということは当然です」と述べた。
「『この発言を撤回せよ』とか、これ以上ですね、この問題を蒸し返すべきではではない」と再度念押し。「今、中国が心理戦、神経戦を仕掛けてきてますから、これには毅然(きぜん)と対応するべきだと思います」と安易に妥協しないよう呼びかけた。