宝塚歌劇団雪組新人公演「ボー・ブランメル~美しすぎた男」」が行われ、初舞台から3年目の109期の律希奏(りつき・そう)が初主演した。109期からは初の主演となる。
律希は登場のシーンから、キラキラと華があり、客席の目を引き寄せた。本役の雪組トップ・朝美絢の“美しすぎる男”とはまた違った、美を振りまいた。野心に燃えるブランメルを、下級生ながら的確に演じ、違和感を持たせなかった。口跡がよく、セリフも聞き取りやすく、客席に感情の起伏をきちんと伝えた。またどこか少年っぽさを感じさせる爽やかさも兼ね備え、本役の匂い立つような色香をたたえたブランメルとは違った役作りとなった。初の主演がフランク・ワイルドホーン作曲のミュージカルとなったが、丁寧に歌いきった。
初のセンターや銀橋に「やはりお稽古場とは感覚の違うことばかり。明るくなったと思ったら、さらに明るくなって」とスポットライトにも初々しい驚きを見せた。今回「新しい壁」を発見したが「壁を登るのか、打ち破るのか、それぞれが考えて本公演、そして東京の新人公演につなげたい」と語った。また朝美絢からは「楽しんで!」とアドバイスをもらった。「今回は心が動いてお客様に伝わった部分と、そうじゃなかった部分があったので、朝美さんの言葉通りでした」と抜擢に応えた舞台を振り返った。
そんな律希を支えるのが、ヒロイン経験も豊富な106期の華純沙那。女優のハリエットを演じ、律希との見た目も芝居のバランスもよく、見事なソプラノを披露した。また前回主演した108期の苑利香輝がプリンス・オブ・ウェールズ(本役・瀬央ゆりあ)を演じるなど、“真ん中”を経験した上級生らが律希をもり立てた。
本公演でも活躍する華世京は、ブランメルの友人ピアポント役。さすがの芝居と歌で、レベルの高い舞台を繰り広げた。雪組トップ娘役・夢白あやの後任の音彩唯は台詞のないロココの愛役。だが新公最終学年で最も成績のよい“長の長”として「経験の浅い私たちには難しいお芝居でしたが、それぞれが超えられた壁、超えられなか壁がありますが、前に進めました。これからも向上心を持って、努力を重ねてまいります」とあいさつ。観客も温かい拍手を贈っていた。
東京宝塚劇場は2026年1月29日。