ダイアナ元妃の専属デザイナーとして知られるファッション界の重鎮ポール・コステロ氏が、21日に死去した。80歳だった。コステロ氏は、透け感が話題となったシフォンのスカートをはじめ、数々の王妃の衣装を手がけた人物だった。故人のブランド「ポール・コステロ」は「短い闘病の末、ロンドンで妻と7人の子どもに囲まれ、静かに息を引き取った」と声明を発表している。
アイルランドのミホル・マーティン首相も追悼の意を表し、「彼はアイルランドのファッションを世界へ押し上げたデザイン界の象徴だった」とSNSで称えている。
1945年ダブリン生まれのコステロ氏は、グラフトン・アカデミーで学んだ後、パリのオートクチュール組合でキャリアをスタート。1979年に自身のブランドを立ち上げ、1982年にウィンザーの店舗を訪れたダイアナ元妃の目に留まり、専属デザイナーに抜擢された。以降1997年に元妃が事故死するまで、その衣装を数多く制作した。
代表作には、1983年のカナダ訪問で着用した特注のピンクスーツや、1990年ナイジェリア訪問で披露されたピンクと白の花柄ドレスなどがある。2020年には「ダイアナは誠実で素直な人で、服を作るのが本当に楽しかった」と振り返っている。また同氏はアン王女やその娘ザラ・ティンダルの衣装も手がけ、英国王室と深い関わりを持ち続けた。