俳優のシルベスター・スタローン(79)は、自身の出演作の中で「デモリションマン」が今も輝きを失っていない作品と考えているという。1993年公開の同SFアクション映画でスタローンは、かつて共に収監されていた殺人鬼サイモン・フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を捕らえるため2032年に仮死状態から解凍された刑事ジョン・スパルタンを演じていた。
GQ誌で今までに演じた役柄を振り返ったスタローンは同作品についてこう語る。「素晴らしい映画だった。今でも色あせない数少ない作品の一つで、現実にも近い内容だ。社会の『穏やか化』についてさ。あまりに従順になりすぎているという」「非常に現代的なテーマを扱っていたし、本当に良くできた作品だ」。
そして、共演したウェズリー・スナイプスについて「ワイルドだったね。野性的な男で、非常にエネルギッシュで、優れたファイターだ。キックのシーンを撮っていた時、間にプレートみたいなものがあったことで、彼は本気で私にぶつかってくることができた。こっちもその衝撃を感じられたし、最高だった」「ウェズリーは、本当に深く掘り下げて、非常に印象的なキャラクターを作り上げていた。髪型や声の出し方について工夫を凝らし、素晴らしかった。当時は絶頂期だった」と続けた。
マルコ・ブランビヤ監督による同作で挑戦した「今までで最も危険なスタント」についても言及。一つは油圧式の爪に掴まれ振り回されるシーンで、油圧装置が故障した場合重傷を負う可能性があったと回想、もう一つはスパルタン刑事が最初に凍結されるシーンで、温かい油のような液体で満たされた「厚いプレキシガラスでできた丸い槽」に浸されたそうだ。「温かい油を注ぎ始め、それがどんどん(口元まで)満ちてきて。もしあと30秒以上続いたら(鼻の上まで)達していただろう。蓋はボルトで固定されていたから脱出不可能だった」「傍には巨大なハンマーと斧を持った連中が数人座っていたから、シーンの撮影終了後に、私は『開けて(破壊して)みないか?』って言ったんだ」「もちろん、20回叩いても割れなかった。狂気の沙汰だったね」と振り返っていた。