英国のエレクトロポップ・デュオ「ソフト・セル」のメンバーであるデイヴ・ボールさんが22日、ロンドンの自宅で眠るように亡くなった。66歳だった。長年健康状態が思わしくなかったとされ、バンドメイトのマーク・アーモンドは「素晴らしく輝かしい音楽の天才」と故人を称えた。
マークは公式サイトで「この文章を書くのも、受け入れるのも辛い」とコメント。デイヴさんが病を抱えながらもスタジオでの制作を続け、英国でのライブにも参加していたことを明かした。最後の公演は今年8月16日に開催された「リワインド・フェスティバル」で、2万人以上の観客を前に熱演し、大きな喜びを感じていたという。
2人は直前まで新アルバム「ダンステリア」の制作に取り組んでおり、完成直後にデイヴさんが亡くなった。マークは「心が張り裂けそう」とショックを語った。「彼の音楽はこれまで以上に素晴らしく、まさにソフト・セルそのものだった」とし、このアルバムが2人の音楽的旅の締めくくりになると述べた。
1979年にリーズで美術学生だった時に出会った2人は、1981年にデビュー作「ノン・ストップ・エロティック・キャバレー」を発表し、ペット・ショップ・ボーイズやユーリズミックスらの道を切り開いた。セカンドシングル「汚れなき愛」は1981年の英国年間売上1位を記録し、世界17カ国でチャートを制した。
デイヴさんはソフト・セルのほか、リチャード・ノリスとのユニット「ザ・グリッド」でも活動、またカイリー・ミノーグや故デヴィッド・ボウイさんとのコラボ歴もある。マークは最後に「君がいてくれたから今の僕がある。ありがとう」と感謝を述べ、遺族への思いを寄せた。