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気候変動からお茶の木を救え!200年前の茶葉に希望 研究者が語る

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お茶の木を救え、200年前の茶葉に希望
お茶の木を救え、200年前の茶葉に希望

 200年前にスリランカで摘まれた茶葉がお茶の木の絶滅を防ぐ可能性があるという。気候変動から茶樹を効果的に守る研究が実施されており、スリランカから博士号取得のため英ブリストル大学へ越してきたタマリ・カリヤワサム氏は、ロンドンのキュー王立植物園、スリランカ茶業研究所などと共同で、水不足時に特定の茶品種が他より優位に立つメカニズムの解明に取り組んでいる。

 茶の苗木は、苗床から畑へ移されるまでに2年を要し、最長100年生きることが可能だ。しかし脆弱であることから、より長期の頻繁な干ばつや熱波で破壊されたり、茶畑全体が壊滅する懸念が叫ばれている。

 スリランカでは年間最大3億トンの茶葉が生産(150兆杯分に相当)、250万人以上が同産業に雇用されており、多くの人々が生計の危機に瀕している状況だが、キュー王立植物園に保管されている200年前に植物学者が採取した茶葉など所蔵700万点の乾燥植物標本が現代研究のための「タイムマシン」として、その絶滅を防ぐ鍵となるかもしれないという。

 カリヤワサム氏は「熱波で茶畑が焼け焦げるのを目の当たりにしていますし、極端な状況下では作物が枯死するのです」「干ばつ時には茶葉の生化学的組成が変化し、茶の風味に影響を与えたり、収穫量の減少、茶畑全体の破壊に至る可能性があります」と話し、キュー王立植物園のカスパー・チェイター博士はこう続けた。「これら(所蔵の茶葉標本)は過去の気候や茶に影響を与えた病害、茶の多様性が時間とともにどう変化したかについての情報を提供してくれます」「タマリの研究は、気候変動に適応するために植物の多様性を活用する私たちの取り組みの好例です」

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