米国のバイオ企業がこのほど、マンモスの特徴に関わる遺伝子をマウスに反映させるように編集して「毛むくじゃらのマウス」を誕生させたと発表した。絶滅したマンモスの復活を目指しているという。
世界初の「絶滅種復活と種の保存を目的とした企業」を自称するバイオ企業のコロッサル・バイオサイエンス社が公開したネズミは、確かに毛むくじゃらだった。毛の長い普通のネズミのようにも見えるが、同社はその見方を否定した。
ベン・ラムCEOは「マンモスを復活させるために特定したマンモスの遺伝子を、マウスに組み込むことに成功した。それによって、寒さに耐えられる毛むくじゃらな特徴を持つ健康なマウスを作り出した」と説明。テキサス州の研究者らは、画期的な成果が得られたと主張している。
さらに「わが社はおそらく主力プロジェクトの1つであるマンモスでよく知られている。しかし他にも2つの旗艦プロジェクトがあり、1つはタスマニアタイガー、別名フクロオオカミ、そしてドードー鳥だ。私たちは、鳥類1種と2種類の哺乳類に取り組んでいる」
ラム氏によると、対策も講じなければ、2050年までに地球上の生物多様性の最大50%が失われる可能性があると述べ、危機感をあらわにした。そして同社は、種の保存だけではなく、復活につながる新たな技術の開発を目指している。
同CEOは、「私たちは38匹のマウスを誕生させた。すべて遺伝子編集されていて、元気で健康だった。意図しない結果は何もなかった。彼らがものすごく可愛かったということを除いては」と話した。