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皮膚細胞が卵子の“代わり”になる可能性 将来は生物学的母親のいない赤ちゃん誕生も スコットランドで研究

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写真はイメージです(Maygutyak/stock.adobe.com)
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 生物学的な母親を持たない赤ちゃんが将来生まれる可能性があるという。皮膚細胞から人間の卵子を作る方法の開発が進められており、新しい不妊治療への期待が高まっている状況だ。

 新たな研究で、皮膚細胞を正しい数の染色体を持つ卵子のような細胞に変えるプロセスが実証されたという。その画期的な技術「ミトオシス」が、自然な細胞分裂を模倣し、卵子が受精して初期胚に成長することを可能にするとみられている。今回の発見により、病気や年齢のために卵子を失った女性たち、そして男性同士が一緒に子供を持つことができる日が来るかもしれないという。

 スコットランド、エディンバラ大学「MRC生殖健康センター」副所長のリチャード・アンダーソン教授はこう説明する。「新しい卵子を生成する能力は大きな進歩となるでしょう。この研究は、皮膚細胞からの遺伝物質が、受精し初期胚に成長するのに適切な数の染色体を持つ卵子のような細胞を生成するために使用可能であることを示しています」

 同研究では、82個の機能的な卵子が生成され、そのうち約9%が胚の成長における胚盤胞段階まで発達した。しかし、そのほとんどが受精以上の段階には進まず、多くが異常を示す結果となった。

 イングランド、サウサンプトン大学のイン・チョン教授は同研究を「概念実証の画期的な成果」と評価。「現段階では非常に初期の実験室研究ですが、将来的に不妊症や流産への理解を根本から変える可能性があります」と話している。

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