中央大学法科大学院教授で、フジテレビ系「Live News イット!」やTBS系「情報7daysニュースキャスター」などではコメンテーターも務める野村修也弁護士が2日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、サントリーホールディングスの新浪剛史会長の辞任について解説した。
「サントリーは、創業者の『鳥井さん』の名前をひっくり返して(さん鳥井)、カタカナ書きの社名にした同族企業だ。」とまずは企業名の由来を説明。「1899年の創業から2014年まで、4代にわたって同族経営が続いてきた。2代目と4代目の社長が名乗る佐治姓は、創業者の二男が親戚の家を継いだことによるもの。」と経営者の系譜についても説明した。
続けて「2014年に社長に就任した新浪氏は、初めての外部人材。」と新浪氏が“異色”の存在だったことも伝えた。「10年間にわたる改革は業績の向上に寄与したが、抵抗も少なくなかったらしい。当初から創業家の人材が育つまでと表明していたこともあり、新浪氏は、昨年12月に創業家出身の現社長に大政奉還した。」と新浪氏が社長を退いた経緯も伝えた。
この日は鳥井信宏社長と山田賢治副社長が記者会見で新浪氏の会長辞任を伝えた。違法行為などが明らかになったわけではない段階での辞任について野村氏は「白黒はっきりしない段階で早々に新浪氏が辞任に追い込まれた背景については、①サプリメントに注力する企業イメージを守る、②報道が出てからでは後手に回る、③ガバナンス・コンプライアンス体制の機能発揮など様々な点が指摘できる」と分析。一方で「同族企業に戻り、外様を守る勢力が弱くなっていた可能性もある。」と指摘した。