7月22日に76歳で他界したロックバンド「ブラック・サバス」のフロントマン、オジー・オズボーンさん。その最後のステージとなった同月5日のバーミンガム公演「バック・トゥ・ザ・ビギニング」は、妻シャロンの舞台裏での奮闘によって実現したものだった。
オジーさんは生前パーキンソン病と歩行困難を抱えており、保険会社はステージに立つことを認めなかったという。関係者は「サンデー・ミラー」紙に「オジーは必死にリハビリを続け、少なくとも立ってファンに手を振れるよう努力していた」と明かした。しかし、保険のリスク評価を満たさなければ公演は中止になる可能性があった。そこでシャロンは、オジーさんが安全に座ったまま出演できるよう、特製の「玉座」を用意することで保険会社と合意。関係者は「これはシャロンの執念と集中力の賜物。まさに奇跡のような交渉だった」と称賛している。
この公演はチャリティイベントでもあった。オジーさんは「最後の曲だ。みんなの応援があったからこそ、素晴らしい人生を送れた。心から感謝している」とファンに別れを告げた。
一方、オジーさんの自伝「Last Rites」が10月に刊行される予定で、人生の浮き沈みや2016年の不倫騒動など、率直な告白が綴られている。シャロンは序文を執筆する予定で、「彼を送り出すための癒しの作業になる」と語られている。