どこにでもある三角コーンから足が生え、突然動き出す動画がSNSで話題だ。
イベント会場に置かれた見慣れた三角コーンの底から、ニョキニョキと沢山の足が出現。カサカサ周囲を動き回る様子は、まさにキモカワ。中毒性のある動画は1.1万いいねを集めた。ロボットや電子工作などを趣味で楽しむ「メイカー」界隈のイベントで披露されたこのロボット「ヤドカリ・パイロン」を制作したのは、ロボコン出場経験もあるshikky-lab(@shikky27)さん。詳しく話を聞いた。
――アイデアの由来、制作のきっかけは?
shikky-lab:昨年、メイカー向けのイベントのビンゴ大会で「三角コーン10個セット」が当たったんです。せっかくなので活用したい…と眺めていたところ、次第にパイロンがヤドカリに見えてきました。日常に溶け込んだ三角コーンから急に脚が生えて動き出したら、一気に異常な世界に引き込まれる感じがして、このギャップはなかなか面白そう、と思い制作しました。
――開発は大変でしたか?
shikky-lab:三角コーンの中に足など機械部分をスッポリ収めるのに苦労しました。結構大きく見えるんですが、円錐の部分はそこまで空間が広くないんですよね。結局土台部分のスペースも使い、それでも入らなかったので3cmくらい地面から浮いてます(笑)。
金沢でのイベント(NT金沢)でお披露目するために新幹線に持ち込んだのですが、三角コーンは新幹線の荷棚に入らなかったので、ずっと抱えて移動したのも思い出になりました。
――展示を見た方の反応は?
shikky-lab:「かわいい!」という反応が非常に多く、「怖い」の声の方が多いと想像していたので驚きました。普通のパイロンだと思って素通りしようとする人が来た瞬間に動かすと驚いてくれて楽しかったです。「街中のパイロンもこんな風に動き出したらいいのに」という声もあって、思っていたよりポジティブに受け入れられていたのが印象的でしたね。
――ヤドカリパイロンをさらに進化させるアイデアなどはありますか?
shikky-lab:今回は手動で遠隔操縦していたんですが、まるで生きているかのように自律的に動くようにしたいです。普段はのんびりと歩き回っていて、人が近づいたらさっと隠れる。もっと近づかれたら逃げ出したり、たまには向かってきたり。そんな動きができるようにプログラムしてみようかなと考えています。
家にはまだまだ沢山の三角コーンが余っているので、今後も楽しい作品を作っていく予定です!
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SNSでは、「実用化したら終業後に群れで帰ってくるのでは」「高速道路で規制する時に使えるかも」「トランスフォーマーに出てきてほしい」などの反響が寄せられた。
「ヤドカリ・パイロン」は、10月4日・5日に東京ビッグサイトで開催される「メイカ―フェア」にも展示予定とのこと。日常の風景が一瞬で変わる、違和感がたまらない作品だ。
shikky-lab X
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