俳優のケイト・ベッキンセイル(51)が、主演したアクション映画「カナリア・ブラック」の撮影中に負傷したことを受け、製作側を過失で訴えている。ケイトは「危険で安全性に欠ける環境」にさらされたと主張し、製作会社アントン・エンターテインメント・メディア・サービスおよびプロデューサーのジョン・ゾイスらを相手取り、過失、精神的苦痛の故意的な加害、暴行の疑いで法的措置を取ったとPuckが報じている。
ケイトは当初、匿名で昨年12月に訴訟を起こしていたが、5月21日に製作側とのやり取りや負傷の詳細が含まれた修正訴状を提出した。
訴状によると、ケイトは2022年にクロアチアの撮影現場に到着した際、約束されていたパーソナルトレーナーやマッサージ師、ジム設備が用意されておらず、15時間労働が常態化していたという。また、スタントダブルが足首を骨折した後、製作側は「資格のない」代役を起用し、ケイトに自身でスタントを行うよう強いたとされる。
さらに、撮影中に共演者から壁に投げつけられるシーンで左膝の複雑な半月板損傷を負い、製作は数カ月間中断。医師と弁護士の助言を受け、撮影再開時には「走る・跳ぶ・ハーネス使用・しゃがむ・蹴る」などの動作を禁止する条件が設けられたが、製作側はこれをほぼ無視し、危険な状況に追い込まれたと訴えている。
「完全に回避可能だった負傷の悪化」を訴えているケイトは、製作側の「意図的かつ無謀な決定」が原因でさらなる被害を受けたとし、自身とチームは繰り返し安全性の問題を指摘したものの、製作側は利益を優先し、危険な撮影環境を続行したと主張している。
映画「カナリア・ブラック」は東京でUSBメモリを盗む任務が物語の発端となっている。