運動器の障害によって、歩く、立つといった移動機能が低下し、要介護になるリスクが高まった状態をロコモ(ロコモティブシンドローム)という。50歳以上の人口が日本の総人口の半数を超える2025年を迎える中、ロコモに対する意識や日常的な取り組みが重要視されている。
国内最大級(会員数42万人)のシニア向けコミュニティサービス「趣味人倶楽部」(しゅみーとくらぶ)を運営する株式会社オースタンスはこのほど、45歳以上の中高年シニア約670人を対象に、「ロコモ対策と生活行動に関する意識調査」を実施、その結果を公開した。
調査によると「ロコモの認知度」は約7割だった。ロコモという言葉を知っている人は約4割(37.2%)、聞いたことがあるが詳しく知らない人は3割以上(33.4%)にのぼった。内容まで理解している層は限定的で、対策に結びついていない可能性が高いとみられる。
ロコモに対する認知と実態のギャップもあった。「自分がロコモかもしれないと感じた経験」について、「感じたことはない」(19.2%)、「あまり感じたことはない」(35.6%)と回答した人のうち約半数の人がロコモチェックに1つ以上当てはまっていると回答。ロコモ予防の啓蒙は意識がない層にも届ける伝え方の工夫が必要だ。
また、日常的な健康習慣が実はロコモ予防になっていることも分かった。「ロコモ予防として特別に取り組んでいることがあるか」という質問では、「ある」と回答した人は全体の39.1%だった一方で、ロコモ予防となる取り組みを健康維持のために行っていた人は全体の約9割もいること分かった。この結果から、「ロコモ」を前面に出すより、「健康維持」「体力維持」「日常生活の質向上」などの切り口で訴求した方が効果的である可能性が高い。