宝塚歌劇団の“トップ・オブ・トップ”として活躍してきた星組トップスター・礼真琴(れい・まこと)が1日、「阿修羅城の瞳/エスペラント!」の千秋楽を迎え、本拠地の宝塚大劇場に別れを告げた。本公演後にはサヨナラショーが開催された。
礼は2009年初舞台の95期の首席として入団。歌・ダンス・芝居と三拍子揃った実力派として知られ、早くから頭角を現した。19年10月トップに就任。95期は花組・柚香光、月組・月城かなと(いずれも退団)、雪組・朝美絢、宙組・桜木みなとと、史上最高の5人のトップを輩出予定。そのなかでも礼は、最初にトップに就任。演出家から「完璧すぎるのが課題」と評されたこともあったほど。また本人も「『全力で踊りすぎる』と注意されたことがあります」と明かしたこともあるほど、常に全力で走ってきた。
通常のショーでも千秋楽ということもあり、礼と次期トップの暁千星が「千秋楽」「礼真琴最高」「星組最高」「愛してるぜ」など掛け合った。
サヨナラショーでは「ロックオペラモーツァルト」「1789」「王家に捧ぐ歌」「RRR」など代表作を歌い踊った。またサヨナラショーでは珍しい客席降りも行われた。
宝塚の正装黒紋付に緑の袴姿で最後の大階段を降りてきた礼はコロナ禍のまっただ中だったステイホーム中だった5年前のトップ就任を思い出し「自分の最後の日には、仲間たちの最高の笑顔、お客様の幸せな顔が見たいと願い続けましたが、いまそれが現実となりました」とあいさつ。「全身全霊でついてきてくれた星組の仲間と、私らしく体力と筋肉を使って、東京の千秋楽まで駆け抜けて参りたいと思います」と高らかに宣言していた。そして「音響さん、気をつけて」とつぶやいて「星組、最高ーっ!」と特大ボイスで叫んでいた。
東京宝塚劇場は6月28日〜8月10日。