忙しさに追われ、「旅行に行きたい」と思うけれど実際には行けない人は多い。その一方で、「行けるときに行く」を迷わず選び続ける人がいる。いとりさんが描く漫画『母がパワフルすぎて謎すぎる』では、旅行が大好きないとりさんの母について語られている。
いとりさんの母は、最も多いときには1年間で海外旅行3回、国内旅行は20回以上するほどの旅行好きだ。定年退職後もその勢いは衰えることがなく、秋田や長野などを巡る5日連続日帰り旅行を実行している。
その驚くべき旅行計画の理由は、JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」という5日間乗り放題の切符だ。この切符を最大活用し、毎日遠出しては必ず自宅に戻るという旅行を楽しんでいるのだ。
例えば、日帰り東京旅行をする母（福島在住）といとりさんが東京でランチをした日は、福島の自宅を朝5時に出発したそうだ。食事を終えると「もう帰るだけだから〜」と軽やかに去っていく母の姿に圧倒されながら、いとりさんは「私もあんなふうに年を重ねたい」と思わずにはいられなかった。そんなパワフルな母について、いとりさんに詳しく聞いた。
―いとりさんが子どもだった頃のからお母さんは旅行好きだったのですか？
はい、家族旅行は毎年していました。母は細かく旅程を決めるのが好きで、行った先で食べたものや着いた時間なども全てメモしていました。天候や時間の都合で行けないところがあると、またリベンジに行くくらい、旅行に対して執念深いところがありました。
―お母さんが好む旅先や、好きな過ごし方があれば教えてください。
古き良き、どこか懐かしい街並みが好きとよく言っています。郡上八幡や千葉の佐原など。三軒茶屋の三角横丁を案内したときも喜んでいました。
―いとりさんご自身は、どのような旅行が好きですか？
行きたいところは行きつつ、その時の気分でのんびり過ごしたり、行き先を変えたり自由な旅が好きです。
―お母さんはフルタイムで働いていた時期にも旅行を楽しまれていたそうですが、忙しい中での時間のやりくりや工夫があれば教えてください。
休みがあると、のんびり家で過ごしたいと思う人も多いと思いますが（わたしもそうです）、母は貪欲に楽しみを見つけて楽しんでいました。旅行することをモチベーションにして、ふだんの仕事をがんばっていたんだと思います。
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