歌舞伎俳優の片岡千壽、上村吉太朗と、落語家の桂團治郎がこのほど、京都・南座の「歌舞伎鑑賞教室」(5月15日~24日)の取材会に出席した。今回は團治郎がユーモアを交えた歌舞伎の解説を行い、千壽と吉太朗が「相生獅子」を舞う。
千壽は「「獅子物」で主演を勤め、「毛振り」を披露するのは初めて。「赤獅子と白獅子が舞台で舞う姿は、日本のお客様はもとより、海外のお客様でもその美しさをご堪能いただけるかと思います」と笑顔。「上方歌舞伎の仲間である吉太朗くんと華麗な舞台に仕上げたいです。落語家さんによる解説は平成27年の公演以来で、桂團治郎さんの明朗な語りを楽しみにしつつ、一緒に歌舞伎の魅力を一人でも多くの方にお届けしたい」と語った。
4年連続の出演となる吉太朗は「師匠である上村吉弥が紡いできた公演でもありますから、非常に思い入れのある公演」と並々ならぬ思いを吐露。2012年の「―鑑賞教室」では、11歳で師匠と「連獅子」を舞ったこともある。華やかで勇壮な毛振もあり「歌舞伎が初めての方でも、舞や長唄の美しさを直感的にお楽しみいただける演目です」と自信をのぞかせた。
また「語り」で歌舞伎の魅力を伝える團治郎は「『歌舞伎のお噺』は、お客様と同じ目線にたった解説を心掛け、堅苦しい印象を持たれがちな伝統芸能をエンターテインメントとしてより身近に感じていただけるよう努めたい」と意欲を見せていた。
今年は大阪・関西万博が開催され、関西が国際的な注目が集まる。そんな中、本公演には京都府内の日本語学校に通う1000名以上の留学生も観劇するなど「歌舞伎初心者」にはぴったりな公演となっている。