デイヴィッド・アッテンボロー氏が制作する自然史ドキュメンタリーを見ると痛みが和らぐという説が話題になっている。MRIスキャンで、自然の映像を見ると脳の不快感を感じる部位の活動が抑えられることがわかってきたもの。
ある研究で参加者は、街やオフィスの写真を見せられた時よりも自然界の映像を見た時の方が小さな電気ショックによる痛みを感じにくいことが判明した。自然による痛みを和らげる効果は、解熱鎮痛薬として用いられる成分アセトアミノフェン(パラセタモール)の半分ほどあり、このテーマに関する研究が進むことで治療の開発法に役立つ可能性が示唆された。
研究を進めるウィーン大学博士課程のマックス・シュタイニンガー氏によると、以前から自然を見ると痛みを感じにくいという報告はあったもののその理由が不明だったという。
「私たちの研究は、自然が体に良いという人々の信じ込みや期待によって引き起こされるプラシーボ効果ではないことを脳スキャンから証明した初めての試みとなります。脳は、痛みがどこから来て、どのくらい強く感じるかという情報への反応に鈍くなったのです」