広島県の安芸高田市元市長で、地域政党「再生の道」の石丸伸二代表(42)が14日、都内で会見を行った。2時間10分ほどのロングラン会見の中で、猛烈に質問を投げかけてきた女性記者に対して、「普段からその調子でいらっしゃるんですよね?」「臆測はやめてください」「それこそが誹謗中傷です」と語気を強める一幕も。女性記者とのバトルは約1時間にも及んだ。
会見は「再生の道」で公募している東京都議選(6月13日告示、22日投開票)の候補者選考状況を発表が主な内容だった。冒頭15分で石丸氏による選考状況の事務的なアナウンスの後、質疑応答が始まった。
質疑応答の終盤で女性記者が「安芸高田市長時代に『恥を知れ恥を!』と投げかけた武岡(隆文市議)さんのパートナーが自死された。どのように考えているのか」「発信力のある人の発信によって傷つけられる人が出てくる、それについてはどうお考えか」と質問した。一部週刊誌報道では、石丸氏が市長時代の2022年6月、議会で居眠りしていた武岡隆文市議(当時、24年に死去)の妻が自死していたと報道されていた。
石丸氏はそれに対して「自死というのは一般的に悲しいことで忌むべき事。ただ武岡議員は面識ありますけど、配偶者のかたは存じ上げないのでなんとも申し上げられない。どういう事情があったか分かりませんので。」と答えた。続けて「前提として公人というのは批判を受ける対象になると思う。ただし誹謗中傷はいけない、当たり前ですね」と話し、「その観点で私が行ったのは『批判』です。先ほど『恥を知れ、恥を』と言われましたが、それはショート動画の見過ぎです。その文言は武岡議員個人に対して言っていません。特定の個人に対して誹謗中傷をした事実はないはずです」と女性記者の質問の前提を訂正した。
石丸氏はその後も事実関係を整理して説明。女性記者はそれでも食い下がって、石丸氏の「考え」を求めた。石丸氏は、自身の言動は武岡さんへの誹謗中傷ではなく、居眠りに対する「批判」だとした。「これがダメだというならメディアは今後一切報道できなくなりませんか?石丸伸二個人よりも圧倒的に影響力大きいのはマスメディアですよね」と反論。そして「『恥を知れ』と自死の関係について問われたら、まるで私が人をあやめたような印象になりますよね。それ自体が私が言う『やってはいけない誹謗中傷』だと思います」とさとした。
それでも止まらず女性記者は「武岡さんやパートナーは石丸さんを支持・支援する人から嫌がらせを受けた。直接的に誹謗中傷していなくても支持者・支援者が攻撃的なことをしたことで、結果的に武岡さんやパートナーを苦しめたのでは?」といわゆる“犬笛”ではないかと質問。これに対して石丸氏は「はじめて〇〇さん(女性記者)と相対するんですが、普段からその調子でいらっしゃるんですよね?」と確認した上で、「今のご発言そのものが大問題ですよ」と語気を強めた。続けて「事実に臆測を混ぜて話しましたよね。支援者が攻撃したというのは本当ですか?完全な臆測じゃないですか」と“逆追求”。「あなたは今、自分で批判していることを、なぜ今やっているんですか?臆測はやめてください。それこそが誹謗中傷です」と切り返した。最終的にこの会見の半分以上は石丸氏と女性記者のやりとりとなった。