隕石の塊が地球に衝突する寸前まで来ているという状況が分かってきた。NASA(米航空宇宙局)は最近、月よりも地球の近くをニアミスした物体があったことを報告した。
また、昨年12月にはチリの望遠鏡を通して小惑星「2024 YR4」が発見された。地球に衝突する可能性があるとして話題になっており、各専門機関がはじき出す“数値”が激しく動くたびに戸惑う人も少なくない。
「2024 YR4」は、時速3万8000マイル(約6万1000キロメートル)で地球に向かって急降下しており、2032年12月22日に地球に衝突する確率は当初1.2%程度と予測されていた。その後、NASAは、その確率が3.1%になったとし、欧州宇宙機関(ESA)も2.86%にまで上昇したとしていた。“人類の存亡レベル”の危機と捉える人もいて、最大300フィート(約91メートル)幅の「2024 YR4」をハリウッドのSF映画のように撃退するプランを計画する者もいたほどだ。
しかし、その後NASAは観測で得られた詳しいデータを加えた結果、衝突確率は0.28%にまで下がったと明らかに。ESAも徐々に確率を下げ、2月下旬の時点では、「2024 YR4」が地球に住む人間に影響を及ぼす可能性は0.001%としている。
これらの状況の中、専門家のデヴィッド・ランキン氏は「いつかは落下し始めるもので心配する必要はない」と強調。現在2700万マイル(約4345万キロ)離れている「2024 YR4」だが、2032年に地球の軌道に戻って来ると言われている。