吉本新喜劇の小寺真理(33)が、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。抜群の美貌とスタイルで注目を集め、人気女優として活躍する彼女が、新喜劇に対する思い、自身のキャラクターなどについて語った。
最初から新喜劇に入ったわけではなかった。NSC大阪校・女性タレントコース(※現在はない)5期生から吉本発のガールズユニット「つぼみ」に1期生として参加し、山口綾子とお笑いコンビ「りんごあめ」も結成。ただ、3年が過ぎた頃に今後の進路について考えるようになった。「いつまでも『つぼみ』ではいられないし、このままじゃあかんな、でも、もうちょっとお笑いの仕事はしたいよねと、相方と相談していました」。芝居やコントが好きだったこともあり、「お笑いのベーシックなところを学びたい」と新喜劇のオーディションを受けることにした。
相方の山口がお笑いを辞めることになりコンビは解散、「つぼみ」も卒業した。「吉本新喜劇金の卵7個目オーディション」に合格。マネジャーから「新喜劇は大奥ですけど、大丈夫ですか?」と冗談っぽくおどかされ、ビビりながらの入団だった。同年代ばかりの「つぼみ」とは違い、大御所から若手まで年齢層は幅広く、上下関係もしっかりしている。「『これはダメだよ』、『これはいいことだよ』と教えてくださるし、全然、つらくはなくて」。きつく当たられるようなことはなかった。
役柄はぶりっ子から始まり、愛人、キャバクラ嬢、詐欺師などの〝悪女系〟に変化。ミニスカートがトレードマークだが、前列の客の視線が小寺の脚に集中するため、スカートを長くした時期もあった。「お客さんが全然ボケを聞いていないみたいだったので」。あるとき、座長のすっちーが舞台で「なんでミニスカートをはいているの?」と突っ込むようになり、ようやく定着した。新喜劇に入った当初に「ミニスカポリスをやりたいです」と伝えていたが実現。定番キャラのひとつとなっている。
コロナ禍の時期は舞台もなくなり、50キロを切るくらいだった体重が63キロまで増えた。舞台が再開すると、周囲から「やせろ」と厳しく言われた。「真剣に(森田)まりこ姉さんや岡田直子さんに『私らが出る前に、小寺ちゃんみたいなキレイな子が出てくれるから、私たちが引き立つのに、太ってどうすんの!』って言われて。(島田)珠代姉さんからも『ちょっとやせ』って」。持ち味が消えていた。
2回目の新喜劇座員総選挙の期間中でもあり、単独ライブをやりながら、「頑張らないと」とダイエットに取り組んだ。パーソナルジムを開業している先輩の太田芳伸に教えてもらい、ピーク時は46キロまで落とした。やせすぎて「病気か?」と周囲から心配され、大先輩の末成映薫からは「新喜劇やったら、細すぎるのも良くないから、自分の適正体重を見つつ、頑張りいい」とアドバイスとエールをもらった。「本当に応援してくれる方が多いし、太ったらちゃんとしかってくれるし、笑いにもしてくれます。『選ぶのは自分やけど、いいの?』みたいな感じで」。周囲の厳しくも温かい目に感謝しながら「全然、大奥ではないですよ」と笑った。
入団して10年が過ぎた。「入った頃に(島田)珠代姉さんに『キャラクターを確立するのに、絶対10年はかかるよ』と言われて。えっ、10年!?と思ったんですけど、しっかり10年かかったんですよね」。〝小寺と言えばミニスカート〟というイメージができあがり、キャバクラ嬢、愛人といったキャスティングでも最初に名前が挙がるようになった。
現在の座員は100人以上。その中から1回の舞台に出ることができるのは10人から多くて20人。厳しい競争の中、第一線に立っている。「新喜劇で舞台に出たら拍手をもらえるようになりたいし、知名度を上げていきたいです。舞台に出るだけで『ワァーッ』と言われるような」。もっと新喜劇のファンに認められるような役者を目指している。
◆小寺真理(こてら・まり)1991年8月31日生まれ、大阪府出身。2009年にNSC大阪校・女性タレントコース(※現在はない)5期生として入学。2010年に吉本発ガールズユニット「つぼみ」に参加。1期先輩の山口綾子とお笑いコンビ「りんごあめ」を結成。解散後は2013年に行われた「吉本新喜劇金の卵7個目オーディション」に合格、2014年4月に吉本新喜劇デビュー。SNSではオフショットなどをたびたび投稿している。