岸口実県議 維新と「除名なら議員辞職」誓約書も…無所属で続ける意向「方向性は同じ。後押し、応援」と弁明

杉田 康人 杉田 康人
記者団の取材に応じる(左から)岸口実氏、増山誠氏=兵庫県議会
記者団の取材に応じる(左から)岸口実氏、増山誠氏=兵庫県議会

 日本維新の会の県組織・兵庫維新の会代表の金子道仁参院議員(54)が26日、神戸市内で会見し、斎藤元彦兵庫県知事(47)の疑惑告発文書問題をめぐり、政治団体・NHKから国民を守る党の立花孝志党首(57)に告発者の私的情報などを記した文書や、非公開で行われた百条委員会の音声データなどを提供した維新2県議への処分を公表。この日付で岸口実県議(60)を除名、増山誠県議(46)を離党勧告とした。

 金子氏は、岸口氏を除名にした理由について「公人の立場で、他者への誹謗(ひぼう)等が含まれる真偽不明の文書を情報発信の意図がある第三者に渡したことの社会的責任が重大。百条委員会の副委員長の立場でありながら、百条委員会にかかる真偽不明の情報が流出した」などと説明した。

 増山氏に対しては「百条委員会の委員との立場で、秘密保持に抵触する行為を行ったことは、議会人として法令順守意識が全く足りず大きな問題」と指摘。2氏の一連の行動を「社会に与えた影響も大きく、日本維新の会に対する世間の信頼を失墜させる行為」と断罪した。

 日本維新の会の吉村洋文代表(49)は25日、24日の兵庫維新の会党紀委員会を踏まえ、増山氏を除名、岸口氏を離党勧告とすることで調整していることを明らかにしていたが、2氏への処分を最終決定する25日夜の執行役員会で重さが逆転した。

 党紀委員会と、執行役員会の決定内容が違ったことについて問われた金子氏は「党紀委員会はあくまで諮問。結果が違うということに関して、私としては何とも言いがたい。党紀委員会はあくまで諮問ですから。その諮問の内容が何か決定事項のように報じられるのは『それは誤報です』と繰り返しお伝えさせていただいた」と強調した。

 その上で「諮問したものに対して我々は判断した。事実関係に関しては、党規委員会で確認した内容に、さらに執行役員会のメンバーが確認した事実関係も踏まえて判断した。なので、諮問委員会の事実関係の調査等に関しては、全く問題がないと思っている」と、妥当な処分だとした。

 吉村氏の説明との食い違いを記者団から指摘されると「どちらの判断もできる、みたいな言われ方をしてたかなと私は受け取っていた。吉村さんがそういう風な発言をしたというところは確認できていない」などと釈明した。

 立花氏と電話連絡をしていたことを認めた白井孝明(たかひろ)県議(41)については、党紀委員会に諮問を行い、調査を始めるとした。

 処分を受けた岸口氏と増山氏は、県議会で記者団の取材に応じ、無所属で県議を続ける考えを示した。

 党の規則で最も重い除名処分を受けた岸口氏は「一番重い処分となりました。私の当時の公的な立場を考えますと、これは致し方ない。党に対して、申し立てをするつもりはない」と受け入れた。

 今後については「辞職をすべきという声もあった。しっかりと今後も頑張れという風なお声もいただいた。そういったことから、当面無所属で活動をさせていただきたい」と表明した。

 岸口氏は、維新の公認を受けた際に「除名処分を受けた場合、辞職する」という誓約書を交わしている。「維新の考え方等々については、私も方向性は全く同じでありますから、残る任期で(維新の)施策については後押し、応援をしていきたい」と辞職を否定した。

 増山氏は「今のところ無所属で活動をしていこうという風に考えております。2019年に維新の議員として当選をしてから、維新の政策に共感をしてこれまで推し進めてきた。無所属になっても、その思いを貫いてやってきたい」と胸中を明かした。

 23日に離党届を出している増山氏は「提出をしておりますので、受理はされたのではないかと推察しております」とした。

 自身の行動については「県民の皆さまが、知るべき情報を知っていただくことが必要かなと思った。終始一貫、皆さまにはご提供した上で行動していただくべきだという思いは変わっておりません」と訴えた。

 23日の会見で、立花氏から夏の参院選の出馬オファーを受けていることを明かし「受けるとも受けないとも回答しておりません」としていた増山氏は「受けるつもりはございません」と明確に否定した。

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース