バニラの花って見たことある?国内の貴重な栽培風景が話題「日本でも育つんだ…」 鎮静効果や鎮痛効果も

中将 タカノリ 中将 タカノリ

メキシコ、中央アメリカ原産のラン科の植物で、日本でもアイスクリームやケーキの香料としておなじみのバニラ。今SNS上ではそんなバニラの栽培の様子をレポートする投稿が大きな注目を集めている。

投稿の主は植物作家のconoconoさん(@Hiro_SUDO)。

ゴールデンウィーク頃に開花し、緑色のカトレアのような見た目になるバニラの花。人工授粉で受精すると子房が長く伸び、年末年始くらいに果実を収穫できるようになるそうだ。

熱帯に適した生態のため日本国内では珍しいバニラの栽培。

SNSユーザー達から

「バニラって日本でも育つんだ……」
「ほんとに形が蘭の花そのものなんですね
バニラの花は良い香りがするのですか?」
「以前にバニラの産出国に駐在していたときにバニラビーンズを良くご近所から束で頂きました。
お菓子作り出来る訳もなく困っていたら、『砂糖壷に入れる、クローゼットに置く、フラワーと一緒に飾る、車に置く』と教えてもら甘ったるい三十路男になりました。島民皆同じ匂いのトンガ。」など数々の驚きの声が寄せられている一連の投稿について、conoconoさんに話を聞いた。

ーーどんな経緯で栽培されているのでしょうか?

conocono:今回のバニラは、この投稿の直前のカカオに続くものでして、職場である星薬科大学(東京都品川区)の薬用植物園で栽培しているものです。

時折、薬用植物園で見られる面白い植物とか、バニラのように誰でも名前は知っているけれど実物の植物は見たことがないというものを紹介しています。

ーー日本での栽培は難しくないのでしょうか?

conocono:最低気温が10℃以上は欲しいことと、広い栽培スペースが必要ですので、一般のご家庭では難しいと思います。観葉植物として販売されることはありますが、開花結実まで至った例は聞いたことがありません。あくまでも観葉植物として割り切って楽しむのはありかと思います。

ーーバニラはなにかに利用されているのでしょうか

conocono:見学者用に一般公開しています。また青い果実を近隣の小学校に配布して、熟成する様子を楽しんでもらったり、香りが出てくるメカニズム(酵素反応)に興味を持ってもらおうかと考えています。学習教材といいますか。

スイーツ作りが趣味の方にはお馴染みのものですが、私が今関心があるのは、リラックスや安眠などの鎮静効果、数年前に学術論文が発表された鎮痛効果などの薬用的な作用です。枕元に置く用にサシェなどを作るのも楽しいのではないかと思います。また最近流行りのクラフトコーラに入れるのも面白いかなと考えたりしてます。

ーーご投稿に対し大きな反響がありました。

conocono:身近な存在なのに材料になっている植物を知らないという例は沢山あります。漢方に使われる薬用植物が代表的ですが、スパイス類や染料として使われる植物もそうですね。薬用植物園にはそんな植物が沢山ありますから、ネットで見るだけでなくぜひ自分の目で確かめて体験して欲しいなと思います。知ることで親しみを感じるだけでなく、自分ならではのアイデアが湧いてきたり、世界が広がったような感覚が楽しめると思います。

◇ ◇

星薬科大学の薬用植物園は平日に一般公開しており、公開講座、見学会も年に2回実施している。いずれも無料なので、ご興味ある方はぜひ星薬科大学のホームページをご確認いただきたい。

なお今回の話題を提供してくれたconoconoさんは今年9月20日から28日にかけ、国立博物館の筑波実験植物園で多肉植物展示会「育てる宝石・コノフィツム」を開催予定。不思議な多肉植物について見て知って楽しんでもらう企画ということなのでこちらもご興味ある方は要チェックだ。

conoconoさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/Hiro_SUDO

◇ ◇

星薬科大学薬用植物園:https://www.hoshi.ac.jp/gaiyou/medicinal-plant-garden/

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