愛希れいか「映像は瞬発力、舞台は持続力」 役幅大きく「べらぼう」女郎→「イリュージョニスト」公爵令嬢

石川美佳 石川美佳
ミュージカル「イリュージョニスト」で公爵令嬢ソフィを演じる愛希れいか
ミュージカル「イリュージョニスト」で公爵令嬢ソフィを演じる愛希れいか

 元宝塚歌劇団月組トップ娘役で俳優の愛希れいかがこのほど、大阪市内でミュージカル「イリュージョニスト」の取材会を行った。

 愛希は龍真咲、珠城りょうと2代のトップスターと組み、スケールの大きな娘役として活躍。代表作となる「グランドホテル」(2017年)を担当した世界的な演出家のトミー・チューン氏からも高く評価され、言葉の壁がなければブロードウエーにも立てると太鼓判を押されたほど。6年7カ月の就任は、平成に入ってから花総まりに次ぐ、2番目の長さとなる。

 その宝塚退団から7年。舞台での活躍はもちろん、現在放送中のカンテレ・フジ系「未恋~かくれぼっちたち~」をはじめ映像での活躍も目覚ましい。特に遊女役で出演したNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の初回放送分では、病で亡くなった最下層の遊女・朝顔役で出演。主人公・蔦重の幼少期に大きな影響を与える役で、病のため亡くなった後は、衣類を剥ぎ取られ、全裸で捨てられるという体当たりの演技で、SNSでも大きな話題となった。

 そんな朝顔役に「温かい言葉をいただき、うれしかったですね」と振り返る。「吉原を漢字一文字で表現するなら『欲』。朝顔にも『欲』があった時期もあったけど、私が演じた時にはもうなかった。女郎としての定めを受け入れ、優しいというのは、並大抵の器じゃない。その器の大きさを表現するのは、セリフだけでは時間が足りなかった。醸し出すオーラでも必要でした」と語る。

 映像と舞台。「映像は瞬発力、舞台は持続力。違いも楽しめるようになってきました」と笑顔を浮かべる。「例えば映像はカメラが近くにあって、ミリ単位での動きも捉えていく。一方、舞台は2階、3階のお客様にも伝えなければならない。映像は初心者ですが、カメラマンの方とセッションできるようになりたい。いまは映像も舞台も、自分のできることをやっていきたい」という。

 そんな愛希の舞台「イリュージョニスト」は、19世紀の退廃的な香りを漂わせるミュージカル。愛希演じる公爵令嬢ソフィと天才イリュージョニスト、アイゼンハイム(海宝直人)、皇太子レオポルド(成河)の思いが交差する息もつけない物語。「ソフィは芯の強い女性で、人間味がある人。私との共通点は意思がはっきりしていること」という。コロナ禍でコンサートバージョンで上演されたが、今回4年の時を経てフルバージョンで上演される。「いつかフルで上演したいという思いがずっとありました。だからすごくうれしい!」と期待に胸を膨らませている。

 東京・日生劇場3月11日~29日、大阪・梅田芸術劇場4月8日~20日。

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