マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏がこのほど、「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」(以下、プレミア12)と同時開催されたeスポーツの世界大会「eプレミア12」にゲスト登場。野球ファンがつめかけた会場を湧かせ、「想定をだいぶ超えていました」と熱量の高さに感銘を受けていた。
「eプレミア12」とは世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催し、「WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球」を競技タイトルとして実施されるeスポーツの世界大会。今年が初開催となった。決勝戦は23日にプレミア 12と同じ東京ドームで行われ、世界各地の予選を勝ち抜いた2選手が出場。この表彰式に大会ゲストとしてイチロー氏が登場した。当日は日本対台湾戦の試合前ということもあり、イチロー氏の登場に会場は騒然となっていた。
プレゼンターを終えたイチロー氏は「まず熱量がすごいですね。想定をだいぶ超えていました」とeスポーツ人気に驚いた様子。また「野球ゲームとして、その操作技術や戦略のレベルの高さには感心させられました」と話し、「野球というのは元々頭を使うスポーツ。頭脳スポーツで9イニングに設定されたゴールにおいて、相手より1点でも多く奪い、1点でも失点を少なくするために戦略や戦術を駆使する。そういった野球の本質、本来の楽しみが本当に表現されていたと思います」と野球本来の面白さを表現できていることに感銘を受けていた。
自身も野球ゲームについて「僕も楽しんできたひとりです。昔は『eスポーツ』というかっこいい呼び方ではなかったですけど(笑)」と遊んでいたことを告白。ゲーム内で最強クラスの能力で登場していることについては「それはもう名誉なことです。プロ野球選手になったばかりのときは、目標として、『ゲームの中で自分を使ってもらえるようになりたい』と思っていました」と想起し、「僕も子供の頃に、幾多の名選手をゲームで自分ごと化して遊んでいましたしね。今は選手のことを知るツールとしても非常に大きな役割を果たしていると思うので、KONAMIさんにはぜひ選手のことを正しく表現して欲しいと思います(笑)」とおねだりしていた。
またeスポーツのプロ選手がたくさん生まれてきていることについて「プロゲームプレイヤーという仕事はあまり深く知りませんが、プロと名の付く以上は需要があるから仕事として成り立っていると思うので。その需要に応える自覚を持ってほしいです」と心構えも伝授。さらに「長く続けるためには、常に現状維持で満足せず、研鑽を重ねて次のレベルを目指すことが大切だと思います。とくにゲームですから、プレイヤーの数も多いと思うので、アマチュアとプロの圧倒的な力の差を見せつけてほしいですね」とエールを送っていた。