兵庫県相生市の谷口芳紀(よしき)市長(75)が26日、神戸市の県公館で行われた県・市町懇話会に出席。斎藤元彦知事(47)に深々と頭を下げ、謝罪した。
谷口氏は神妙な表情で、懇話会開始の約20分前から会場入口で斎藤氏を“入り待ち”。なかなか現れない謝罪相手にそわそわし、時計を気にする場面もあった。
公務の関係で、開始時間ギリギリに会場入りした斎藤氏を出迎えた谷口氏は「この度の私の言動に対して、心からおわびを申し上げたい。おわびをさせていただきます。大変申し訳ございませんでした」と何度も頭を下げ、手を合わせた。
斎藤氏は、会場入口で待ち構える谷口氏の姿を見かけると、少し驚いた表情を見せた。すぐに笑みを浮かべ、頭を下げ返す大人の対応。「これから共に、頑張りましょう」と声をかけた。
懇話会後、記者団の取材に応じた谷口氏は「特にこの3年間、相生市もいろんな課題を抱えておりまして、斎藤知事もよく理解をしていただいて、これまでも応援していただきました。引き続いて応援をしていただきたいと。このように思っています」と述べた。
谷口氏は、兵庫県知事選の選挙期間中だった14日、同県の22市長が前尼崎市長の稲村和美氏(52)を支持する異例の表明をした県庁での会見に参加。斎藤氏について「県知事として資格がないんじゃないかと」「こう思っておりますわ!」「何が悪い!」と批判。机をバンバン叩きながら声を荒らげた。
22日の相生市での会見では、懇話会で斎藤氏に直接謝罪する意向を示していた。
“机バンバン市長”“バンバン爺”などとやゆされた谷口氏は、同市役所に苦情の電話、メールなど約1000件が来たとした。稲村氏への支持表明から180度向きを変えたことについて「兵庫県民の民意が、17日に示されたわけですから」と説明した。
記者団から「斎藤知事に謝ったのは、机をバンバン叩いたことなのか。それとも、別の候補者の支持を表明したことなのか」と問われた谷口氏は「すべてです。私の言動について、すべてについて、斎藤知事さん、すべての方に、他の関係各位に、迷惑をかけたということです」と釈明した。
谷口氏は「その場のですね…特にこう、選挙の時に気が高ぶっていたということもございまして、やはりおわびをさせていただかなあかんということで、おわびをさせていただいたということです」と心境を明かしていた。