兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事(47)のパワハラ疑惑などを告発した文書問題を究明する県議会の文書問題調査特別委員会(百条委員会)が25日、開かれ、関係者への証人尋問を実施した。知事選後初の百条委開催で、出頭を要請されていた斎藤氏は、都内での全国知事会出席を理由に欠席した。
この日は、告発文書を作成した県幹部の男性を公益通報者保護法の対象としなかった問題や、2023年11月に行われた阪神、オリックス優勝パレードの寄付金集めを巡る経費不正疑惑について当時の県財務部長ら3人を尋問。2人については、非公開で行われた。
優勝パレードの補助金予算額が当初の1億円から4億円に引き上げられたことについて、当時の財務部長は「額が動くことはよくあることで、めずらしいことではない」と証言した。
県庁の公益通報窓口で受け付けられた県幹部からの内部公益通報の結果公表を、議会側が阻害したのではないかとの委員からの指摘に対しては「議員から止められたり、公表するなと止められたことはない」と否定した。
終了後、百条委委員長の奥谷謙一兵庫県議(39)が会見。公開で行われた当時の県財務部長への尋問について、2点ポイントを挙げた。
奥谷氏はパレードの経費不正疑惑への尋問について「ある程度、財務部長としての見え方っていうのは、きょうの尋問を通じてある程度の流れですけど、みなさんよく理解できたのではないかと考えている」と述べた。
内部公益通報の取り扱いについては「原則として、内部公益通報の結果というものは広く一般に対しては公表されるものではないけれど、是正措置をとって県民の皆さんに知る権利との関係で公表する必要があるとか、そういった特別な事情があった時は公表するというような運用がされている」と説明した。
その上で、奥谷氏は「選挙中に内部公益通報の結果を公表するのを議会側が阻害しているのではないかというSNS上でそういう発信がなされたと私は認識している。きょう委員の質問の中で、議員の方から公表するのをやめるようにとか、そういう強い圧力はなかったと明確に証言がなされた」と述べた。