世界的バレエダンサーのウラジーミル・シクリャローフさんが39歳の若さで死亡した。サンクトペテルブルクの名門マリインスキー劇場バレエ団のプリンシパルダンサーとして世界中で公演を行っていたシクリャローフが16日、同市で建物の5階のバルコニーから転落し、帰らぬ人となった。
同劇場からの声明にはこうある。「劇場のスタッフだけでなく、コンテンポラリーバレエ界全体にとって大きな損失です」「アーティストのご家族、愛する方々、ご友人、そして彼の作品と才能を称賛する多くの方々に哀悼の意を表します」
また同バレエ団は、「彼の優雅さと情熱は、世界中の観客にインスピレーションを与えました」「あなたがこの世にもたらした美を通して、あなたの光は輝き続けるでしょう。彼は世界のバレエ史にその名を永遠に刻みました」と故人を偲んでいる。
地元メディアによると、同じバレエ団のダンサーである妻マリア・シクリャローフとの間に2人の子供がいたシクリャローフは、転落前に鎮痛剤を飲んでいたという。
ワガノワ・バレエ・アカデミーで訓練を受けたシクリャローフは、2003年に卒業した後は、「ジゼル」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」「白鳥の湖」「ロミオとジュリエット」などの古典バレエに出演。力強さと貴公子然とした優雅さを兼ね備え、ワガノワに裏打ちされた確かな技術と芸術性で人気。ランベルセの美しさは他の追随を許さなかった。ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスやニューヨークのメトロポリタン・オペラの舞台にも立ち、アメリカン・バレエ・シアターにも客演、2008年にはレオニード・マシーン賞を受賞した。日本でも何度も公演を行っていた。マリインスキー・バレエ団に所属する日本人バレリーナ・永久(ながひさ)メイとは何度も共演している。