兵庫県明石市の前市長で弁護士の泉房穂氏(61)が29日、自身のX(旧ツイッター)を更新。27日投開票の衆院選で、政治資金収支報告書の未記載、いわゆる“裏金問題”で自民党の公認を得られず、兵庫9区に無所属で立候補した自民党旧安倍派幹部の西村康稔元経産相(62)が当選したことを受け、明石市では立憲民主党の新人・橋本慧悟(けいご)氏(35)に次ぐ2位だったものの、淡路島で大差を付けた〝地域差〟について分析した。
兵庫9区は明石市と淡路島(洲本市、南あわじ市、淡路市)の選挙区。泉氏は「明石市では、橋本55820 vs 西村55672と僅差ながらも、橋本けいご氏の勝利だが、淡路島の3市では、西村やすとし氏の圧勝。洲本市では、西村9995 vs 橋本4994、南あわじ市だと、西村12142 vs 橋本4977、淡路市だと、西村10867 vs 橋本4947。同じ選挙に関する開票結果とは思えないほどの違いだ…」と得票数を挙げて説明した。
明石市は西村氏と泉氏の出身地。西村氏は国立の神戸大学教育学部付属明石小学校、同中学校(校名は当時)から全国屈指の進学校である私立の灘高(神戸市)に進み、81年に東大入学。1歳下の泉氏は明石市立二見小、中、県立明石西高から82年に東大に入学した。
その後、泉氏は衆院議員を経て、2011年から23年まで明石市長を3期務めた。自身の基盤である明石で〝一番弟子〟の橋本氏が健闘し、比例当選したことについて、泉氏は28日付Xで「心から、おめでとう。国会議員としての活躍、大いに期待しています」と祝福した。
さらに、明石市では橋本氏が西村氏に〝勝利〟したことについて、泉氏は「148票差とはいえ、すごいことです。13年前の私の最初の市長選での69票差での勝利を思い出します…」「明石市の有権者のうち、55820人が『橋本けいご』の名前を書き、55672人が『西村やすとし』の名前を書いたとのこと。これは本当にすごいことだと思う」と連続投稿した。
その上で、泉氏は「とても大きなことなので、あえて言う。明石市民の民意は『裏金NO』だ。人間さまざま〝しがらみ〟があり、意に反する投票行動や応援をせざるを得なかった市民もいたとは思うし、そのことをどうこういうつもりはない。ただ、明石が〝恥ずかしい街〟にならなくて良かった…」とつづっていたが、一夜明けて改めて淡路島との地域格差を実感していた。