元関西テレビ（カンテレ）アナウンサーで、同社を1日付で退社した新実彰平氏（35）が12日、京都市内で会見し、2025年夏の参院選京都選挙区（改選数2）に、日本維新の会から出馬すると表明した。
新実氏は会見で「しんどい思いを抱える方、望まぬ孤独を抱える方がゼロになる社会を創りたい。理想を言うな、と言われるかもしれませんが、これを目指さなければ政治は何を目指すんだという風に思っている」と、政界挑戦への決意を述べた。
京大法学部卒業後の12年、カンテレに入社。17年から23年まで、同局夕方のニュース番組「報道ランナー」のメインキャスターを担当した。
衆院選（27日投開票）を前にした、異例の参院選候補者発表。会見に同席した日本維新の会の藤田文武幹事長（43）は、「関西のメディアの中でも、エース級のアナウンサーとして活躍してきた方。衆議院選挙にもぜひ貢献してほしい」と期待を込めた。
新実氏は、カンテレ・フジテレビ系で放送され、阪神がオリックスを破り38年ぶり2度目の日本一を決めた23年11月7日の日本シリーズ第7戦を実況した。アナウンサー時代の経験を踏まえ「有権者の皆さんに『もしかして維新って、ちょっと話聞いてみてもいいんちゃうかな』というマインドを持っていただけるんじゃないかと思っています」と自負した。
一方で「報道ランナー」キャスター時代の〝炎上〟も振り返った。新実氏は、22年7月8日に銃撃事件で死去した安倍晋三元首相に関し、同月12日放送の番組内で「生きて歴史の審判を受けてほしかった」と発言。ネット上で批判の声が寄せられた。
自らの口で発言の真意を説明するのは初だとした新実氏は「悪いことをした人だから裁かれるべきだ、なぜ亡くなったんだ、などと申し上げたことは全くもってございません。歴史の審判を受けるべき多くの影響力を行使された方だからこそ、ご生前のうちに、生きてその判断が見定まっていただきたかったという思いで申し上げた」と釈明した。
その上で「確かにあの時期に、安倍総理が突然亡くなられて、悲しみのふちにいらっしゃる方が多くいらっしゃる中で、全体のバランスではなく私が申し上げた一言だけを切り取って聞いたときに『何てことを言うんだ』と思われる方が出る可能性も十分にあったと今となっては反省をしております」と語った。
発言に瑕疵（かし）はなかったとする新実氏は「誤解を受ける発言であったという点においては、言葉のプロとして反省をしておりますし、多くの失敗の上に研鑽を積んできたという自負がございますので、これからますます言葉を磨きながら努力をしてまいりたい」と誓った。
