ガマの穂から"ウサギの毛皮"を採取したという動画が話題になっている。
水辺に育つガマは10月から11月に茶色いきりたんぽのような穂を付けるが、触ると爆発するように穂綿が飛び散るのが特徴で、日本神話『因幡の白兎』にも登場する植物としても有名。
今回話題になったのは、そんな爆発の危険のある穂からガムテープを使い、綺麗にウサギの毛皮のように穂を採取した様子をおさめた動画。ガムテープでごっそり取られた穂は、ツヤツヤなめらかで本物のウサギの毛皮のよう。投稿主であり、New草花遊び研究所所長である相澤悦子さんに話を聞いた。
――実験のきっかけは?
相澤: 子どもの頃「まんが日本昔ばなし」で因幡の白兎のお話を知り、白兎はガマの穂綿にくるまったのだと記憶していたので、実際にガマの穂綿でウサギの毛皮を作りたいと思いました。
――大変だったことは?
相澤:庭で実験をしたのですが、1本目のガムテープなしでとった穂がフワフワ舞い上がって服にも顔にも網戸にもくっつき、出入りするたびに部屋にも入ってきたのが大変でした。
――綺麗にとれた時のお気持ちは?
相澤:こんなに綺麗に撮れるとは思っていなかったので驚きました。また、穂綿の密度にも驚きました。手触りも、うさぎにそっくりなんです。もしかすると普通のウサギよりみっちりしているかもしれません。
――印象的だったことは?
相澤:実は今回、調べてみると、「古事記」には“蒲黄”と書いてあり、それはガマの花粉のことで止血効果のある傷薬だそうでした。なので、神話の大国主命はウサギに毛を貼り付けてくれたのではなく、傷を治してくれたのだと知りました。実は子どもの頃にも「毛を貼り付けたところで治ったと言えるのだろうか?」と思っていたので、傷薬だったと分かりとてもスッキリしました。
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SNSでは、「柴犬もできそう」「想像の10倍うさぎだった」「ガマの穂が身近になさすぎて魔法か何かだと思ってた」「触りたすぎる」などの声が寄せられた。昔話では馴染みがあるものの、実際にガマの穂は見たことが無い人も多いのでは。見つけた際には是非試していただきたい。
Inori/相澤悦子 X:https://x.com/kusabanaasobi