コナミデジタルエンタテインメントはこのほど、2024年秋に米MLBを舞台にした野球アプリゲーム「eBaseball™: MLB PRO SPIRIT」(以下、メジャスピ)を公開する。今回は本作の開発の裏側と、気になる「今後の展開」について、阿部洋介プロデューサーが語った。
まずは「メジャスピ」制作の裏側について。阿部氏は本作のカバーアスリートもなっているドジャース・大谷翔平が直接的な開発のキッカケではなかったと話す。
「最近の話題でいうと大谷選手の活躍もあって、日本でのメジャーリーグの注目も高まっています。ただその前からもメジャーでの日本人の活躍は報じられていて、日本にいてもプロ野球だけじゃなくてメジャーに興味を持つ人も増えてきている。なので大谷選手が直接的な開発のキッカケと言うよりは、日本の野球ファンの中でメジャーへ興味を持つ人が増えていて、その期待に応えたかったというのが『とっかかり』です」。
もちろん大谷の活躍は大きな推進力。今季もめざましい成績を残した大谷に「大谷選手の活躍で、さらに期待が高まっているのはうれしい誤算というところです」と笑顔を見せた。
開発以外での秘話も語る。MLBとの権利交渉の面では「MLBさんも自分たちのプロパティ、いわゆるチームだとかトレードマークを凄く大切にしていることが分かりました。我々の制作物に対して、率直な意見をいただいたこともあります」と話す。だが「そこに応えることによって、ユーザーさまの期待に応えるということになると思っていますし」と燃えた開発チーム。交渉を続け、「(MLB側から)逆にこういう取り組みをすればもっと盛り上がるよねというような提案もいただけた。そういう意味で心強いビジネスパートナーでもありますね」と順調にリリース目前までこぎ着けた。
同社がMLBを舞台にしたゲームを手がけるのは初めてではない。2006年には「実況パワフルメジャーリーグ」(以下「パワメジャ」)という名作をリリース。当時マリナーズ・イチローや、ヤンキース・松井秀喜が大活躍していたことが後押しとなっており、阿部氏はその制作にも携わっていたという。
その中で今回、コンシューマー版ではなく、アプリ版でリリースを選択。その背景は「ゲームとしてパワメジャも面白いものではありましたけども、今回は「プロ野球スピリッツA」のMLB版。プロスピで一番やりたいのは、『プロ野球の臨場感を伝える』こと。ホンモノの空気感を伝えるためには、パワプロ君の頭身ではなく、リアルな頭身そのままの大谷選手、もちろん他のメジャーリーガーも、手のひらのモバイル端末でプレーできるのは特別な体験になると思います」と説明した。
またモバイル版の良さについて「『気軽にいつでもどこでも触れる』というところは、コンテンツに触れやすい要素」があると話し、「モバイル版で届けることで、MLBに触れたいと思っている人たちに一番多くリーチできるんじゃないかと思っています」と力を込めた。
ファンとして気になるのは前述の「パワメジャ」に続く、MLBを舞台にしたコンシューマー版の発売について。阿部氏は「現段階ではまだ言えることはない、というのが答えですね笑。当然、期待してもらえていのるかな?と言うのはありますが…」と答える。ただ「まずはモバイル版を成功させることだなと思っていて、その状況を見てから今後の展開を考えていければ」としっかりと足元を踏み固めていた。