ぱんちゃん璃奈「泣かせてやろう」 美伶「普通に試合に出てること自体おかしい」対戦前に赤裸々インタビュー

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
アイリン・ゴンザレスと戦うぱんちゃん璃奈(右)
アイリン・ゴンザレスと戦うぱんちゃん璃奈(右)

 格闘技イベント「MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.5」(10月12日、東京・後楽園ホール)のワンマッチ(KNOCK OUT-BLACK女子-48.0kg契約/3分3R・延長1R)で激突する、ぱんちゃん璃奈と美伶のインタビューがこのほど、主催者から寄せられた。不祥事からの着実なステップアップを示すぱんちゃん、K-1 GROUPで4勝1敗の好成績を上げている美伶。両者が負けられない思いを口にした。

【ぱんちゃん璃奈】

──今回の美伶戦、カード発表会見の時には美伶選手がズバズバと言ってきましたが、どう思いましたか?

ぱんちゃん:今回も相手にあんまり興味がないので、自分のパフォーマンス、戦い方が一番ではありますね。ただ、あれだけ言ったのでもっと盛り上がるかなと思ったんですけど、やっぱり美伶選手がまだあまり知られてないというのもあって、思ったより盛り上がらなかったのは残念でしたね。私、K-1 GROUPとの対抗戦は初めてなんですよ。K-1 GROUPとの選手とやるとは初めてだから、もうちょっと盛り上がるかなと思ったんですけど。女子の注目度をちょっと痛感したかなという感じですね。

──では、いろいろ言われたことに対しては、あまり何とも思ってないという感じですか?

ぱんちゃん:でもやっぱり、私のことをちょっとナメてるなというのは感じました。空手の経験が向こうのほうが多いのは分かるんですけど、キックボクシング、プロファイターとしての経験でいったら私の方がキャリアはあるじゃないですか。でも、余裕みたいな感じの態度でしたよね。口だけかもしれないですけど、やっぱりナメてるなという部分があって。そういう時って、こっちの方ががチャンスがあることが多いので、試合前はナメといてもらって、当日泣かせてやろうと思ってます(笑)。

──今のうちにナメとけと。

ぱんちゃん:自分も、相手を見て「いける」と思った時って、うまくいかなかったことが多いんですよ。慎重さが足りなくなるというか。前回、彼女は初めてKO勝ちしていて、今はたぶん「当たれば倒せる」と思ってるんですよ。私もKOした次の試合って、いつもメッチャ駄目なので。KOした技に頼りすぎちゃうというか、「自分のパンチやヒザは当たれば倒せる」と思っちゃって、過信してしまうんですけど、その試合とは相手も違うし、この間の美伶選手の相手よりも私の方が強いし、そういう意味で、同じように当てても倒せないですよ。過信があるのかなと思いますね。

──では、6月のアイリン・ゴンザレス戦を踏まえると、今回のテーマは?

 ぱんちゃん:アグレッシブさを見せて、プレッシャーをかけて戦えたらと思います。前回もパワーがある相手だったので、「被弾しないように戦う」というテーマでやっていました。次も打ち合いにいくよりは、今までと違ったいろんなテクニックを見せたいなと思ってます。

──今回、相手とは身長差が12センチありますが、そこについては?

ぱんちゃん:身長差ってみんな言うんですけど、正直、関係ないんですよね。なぜかというと、遠い距離の前蹴りとかは身長高い人の方が有利かもしれないですけど、インファイトのパンチになると小柄な子の方が回転が速いので。もちろん、戦い方の中で、小柄な子の生かし方、身長の高い人の生かし方というのはあるんですけど、身長がたった10センチ違うからって攻撃をもらわないとか、そういうのはないので、あんまり身長は気にしてないです。ただ、彼女のこれまでの試合で彼女が強く見えてしまっているので、私と戦って「やっぱり大したことないんだな」というところを示したいなと思います。

──それこそ美伶選手は、入り込んでパンチでの攻めを狙ってくると思います。

ぱんちゃん:遠い距離では難しいだろうなと思うので、やっぱりインファイトじゃないと戦えないでしょうね、彼女は。

──実際、自信も見せていました。

ぱんちゃん:私と戦う相手は毎回、ほぼ私よりは身長が低いので、毎回相手はインファイトに持っていきたい、という展開で、入れさせずに戦うというのが、私のこれまでの戦い方でしたね。

──ただそうすると、近い距離に入れさせないことと、「倒す」ということの兼ね合いになってくると思いますが。

ぱんちゃん:みんなそう思うでしょうね。ぱんちゃんは前蹴りを使って近い距離は組んで……という、いつもの戦い方だろうと。

──今回は違うんですか?

ぱんちゃん:作戦に関しては内緒です(笑)。美伶選手にも、当日まで油断しておいてもらえたらと思います。パンチって、当たらないと倒せないので、倒したければまず当ててみろって思いますね。彼女は、今までまだ強い人とちゃんとやってきてないので。だから調子に乗れるのも試合当日までかなと思います。

──では、ぱんちゃん選手自身の今回のテーマは?

ぱんちゃん:成長を見せるということですね。今までは1人で戦ったんですけど、今はチームで戦うということを意識しているので。自分の格闘技人生も終盤に入っているので、勝ち方にも納得したいというか、褒められる試合をしたいです。見てくれている人もたくさんいるので。

──今年も後半に入ってきますが、5月に公開された試合での初黒星によって、思い描いていたものが変わったり、ズレたりというのはありましたか?

ぱんちゃん:いや、ないですね。無敗にこだわっていたわけじゃないし、いつかは負けると思っていましたし。「フィジカルが強い人には、フィジカルで対抗しても勝てないんだな」ということが初めて分かって、そこで初めて「頭を使っていかなきゃ」と頭を切り替えられたし、負けたおかげでチームを組み直したりもできたので、負けて得たものも多いと思います。

──今のチームというのは、良太郎さん中心の。

ぱんちゃん:そうですね。team AKATSUKIのみんなにも力を貸してもらっています。今、AKATSUKIにはONEのMMA女子で世界3位の選手が所属しているので、その子とスパーリングをしてるんですよ。レスリング出身なのでフィジカルが私よりすごく強くて、得るものがすごくあるので。

──良太郎さんからは、今回の試合について一番言われているのはどういうことですか?

ぱんちゃん:作戦が遂行できたら圧勝できるとは言われています。ただ、ちょっとうまくいかなくなったらイライラしたりしてしまうので、そういうところを捨てていかないと、この先、頭のいい選手には勝てないと。フィジカルだけで今まで勝ってこれたのも、日本人の中級レベルまでだと思うんですよ。この先は頭を使って、テクニックを使わないと勝てない相手とばかり対戦するようになってきているんだから、しっかり頭を使う、そのためにも冷静でいること、指示をしっかり聞くこと。これを守れば確実に圧勝できると言ってもらっていて、一番は自分のコントロールと、あとはトレーナーを信じるということですね。だからあんまり相手の映像も見ていなくて。

──それは、今の段階ではできそうですか?

ぱんちゃん:いい日の方が増えてきてるんですけど、疲れていたりとかでダメな日はブレちゃったりとかするので、どんな時でもしっかりコントロールできるようにすることが大事だなと思っています。

──そういう状態に持っていけるかどうかが一番の鍵だと。

ぱんちゃん:どれぐらいまで持っていけるかですね。半分ぐらいまで持っていければ全然勝てるので。例えばですけど、1Rに自分の蹴りで足が折れましたと。そんな時でも最後まで冷静に戦えるか。そこだと思うんですよ。試合ではどんなアクシデントが起きるか分からないので少ない可能性の場面を想定した練習もしています。今までは自分のよさを伸ばす練習をしていたんですけど、良太郎さんからは「よさだけを伸ばす練習じゃなくて、よさも伸ばすけど欠点も強化していこう」と言われているので。

使う武器は変わらないんですけど、相手は私の欠点を攻めてくるし、試合中は何が起きるか分からないので、どんな場面でもパニックにならずに、しっかり強さを見せるという練習をしています。それが一番難しいんですけどね。

──その上で、最終的にはどう勝ちたいと思っていますか?

ぱんちゃん:やっぱり判定じゃなくて、悶絶させてKOしたいと思います。それはファイターなので当たり前なんですけど、でも今までと違って、「この技で必ずKOする」みたいな過信はないんですよ。「ここまで攻めれば倒せるだろう」という意識に切り替えていて。これはメチャメチャ大きな違いで、例えば「右ストレートで倒そう」とか「ヒザで倒そう」と思うと、そればっかり狙うようになっちゃうんですよ、少なくとも私の場合は。そうじゃなくて、圧力とプレッシャーと攻撃を的確に与えていければ仕留められるという感じで今は考えているので、技にこだわってないんです。

──なるほど。ではそれができていれば、その時の流れの技で倒せるだろうと。

ぱんちゃん:圧倒していれば倒せるんですよ。ただ私は、「この一発が当たれば絶対倒せる」という大きい武器はないので、全てを使って倒すということですね。

──では最後、今回の試合で特に注目してほしいというポイントはどこでしょう?

ぱんちゃん:今回はK-1 GROUPの代表の選手と『KNOCK OUT』代表として戦います。ルールはちょっと違うんですけど、どっちが強いかは見せられると思うので、K-1 GROUPの女子の代表よりもぱんちゃんの方が強いんだなというところを必ず見せるというところがポイントなので、そこを意識して比較してほしいなと思います。

──分かりました。ありがとうございました!

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