声優アイドルユニットi☆Ris(アイリス)のデビュー10周年プロジェクトを締めくくる、同ユニット初の実写映画「Live & Documentary Movie〜i☆Ris on STAGE〜」(野中哲也監督)の公開記念舞台あいさつが14日、東京・新宿バルト9で行われ、元メンバーの澁谷梓希がメッセージを寄せた。2021年3月の卒業以来、公の場では初めて澁谷が同ユニットの活動に登場するサプライズに、メンバー5人は驚きと感激の面持ちを見せた。
アイドル、声優として成長する姿とその葛藤が、山北早紀、芹澤優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢にとって思い入れの強い地で実施されたインタビューが、各年のライブ映像を挟みながら映し出される今作。イベント終盤にMCから「ずっとアイリスを支えてくださった〝ある方〟からお手紙をいただいています」と切り出されると、5人はメンバーの家族やファンを挙げる中、澁谷が紹介され会場は大盛り上がり。それだけメンバー、ファンにとっては驚きだった。関係者によると、現在はソロ活動を続ける澁谷は、卒業後初めてユニットのイベントに登場したという。
澁谷のメッセージはi☆Risの素晴らしさ、一ファンとしてのライブの感想、今年5月に公開された劇場版アニメ「i☆Ris the Movie - Full Energy !! -」を鑑賞したことなどがつづられ、MCが代読。5人は驚きの顔を浮かべ、リーダーの山北は「突拍子もないこと書いているんじゃないかと心配したけれど、ちゃんとした文章書けるじゃん。ありがとう」と、笑顔で感謝を口にした。
ユニットのデビューは12年。ミュージシャン、声優など思惑の異なる6人がオーディションで集められ、人気ユニットへと成長。当初から活動を離れればメンバー間の交流がないことを隠さないなど、「仲良しではない」けれど自然体な姿、進化するパフォーマンスが共感を集めてきた。
この12年を振り返り、若井は「12年前はアイドルを生きるなんて思っていなかった。でも、アイドルを生きるってこんなに楽しいんだ、とずっと思っています。アイドルになって良かった。人生が豊かになりました」と回想。芹澤は「私もアイドルを生きるとは全く思っていなかった」と言いつつ「でも、こんなに自分にアイドルの才能あるとは思っていなかった」と会場を笑わせた。そして「アイドルに全然なる気がなかったけれど、だからこそアイドルって何だろう、ファンって何だろう、何が楽しいんだろうと探して経験するうちに、これがアイドルなんだと、感じられるようになりました。アイドルになって良かった」とまとめた。
茜屋は「アイドルをやるなんて思ってなかった」と言いつつ「いまだに私はアイドルを模索しています。正解はないものですが、やると思っていなかった仕事だからこそ、知らなかった自分と出会えたことに感謝しています」と振り返った。久保田は「アイドルする予定じゃなかったんですけど」と前置きしつつ「アイドルって何が正解か分からないけれど、自分自身でアイドルを生きているよりは、みんなが私のことをアイドルと言ってくれるからアイドルだなって感覚に近い。これからも皆さんが私をアイドルだと言えば、私はアイドルですって感じですね」と信念を口にした。