仕事終わりのパワプロ大会「想定以上」 の白熱!テナント企業同士が本気対決 「あべのハルカス」で初開催

藤丸 紘生 藤丸 紘生
決勝戦:西日本電信電話「NTT-フレッツヒカリーズ」が操作するオリックス・中川が左中間に本塁打を放つ=大阪・あべのハルカス(撮影・藤丸紘生)
決勝戦:西日本電信電話「NTT-フレッツヒカリーズ」が操作するオリックス・中川が左中間に本塁打を放つ=大阪・あべのハルカス(撮影・藤丸紘生)

 大阪市阿倍野区の超高層複合ビル「あべのハルカス」では、人気野球ゲーム『パワフルプロ野球2024-2025』を用いた、入居テナント対抗ゲーム大会「パワフルプロ野球『ハルカスカップ2024』」を初開催。その決勝・3位決定戦が6日夜、同ビル17階の多目的エリア「soranosu(ソラノス)」の大型LEDビジョンで行われた。

 同大会は「あべのハルカス」開業以降初のテナント対抗型イベントで、開業10周年を機に入居テナント同士の交流を深める目的で立案された。21企業32チーム(各チーム3~5人)が参加し、8月26日の1回戦を皮切りに、トーナメント形式で熱い戦いが繰り広げられた。

 決勝は「大和エネルギー」(チーム名:パワエネ、選択球団:福岡ソフトバンクホークス)と「西日本電信電話」(チーム名:NTT-フレッツヒカリーズ、選択球団:オリックス・バファローズ)の対戦となった。試合は現実のプロ野球と異なり“超”が付くほどの打高投低。「西日本電信電話」が23本の本塁打を放つなど終始圧倒し、31-4で記念すべき第1回大会の王者に輝いた。

 1点を追う一回無死満塁の場面で、オリックス・森友哉を操作し決勝点となる逆転満塁本塁打を打った谷口雄翼さんは、過去にプロゲーマーを志していたことを評価され、他薦で大会に参加。パワプロはほぼ未経験だったが、平日3時間、休日10時間という猛練習が実を結んだ。「最初は緊張していたんですけど、一発を打ててチームに勢いを付けられた」とプロ野球選手さながらのコメントで殊勲打を振り返った。

 「あべのハルカス」を運営し同大会を主催した近鉄不動産の担当者は、大会の盛り上がりについて「想定以上でした」と語った。同ビルは百貨店、ホテル、オフィスなどが集積された立体都市で、開業10年で各テナントの機能は確立されてきたが「次は(テナント間に)どう血を通わせるか」とテナントの“交流”を意識したイベントだったという。加えて、新型コロナウイルスの影響で働き方が変化した。「リアル出社することの意味が問われる時代ですが、ハルカスに入居している意味や価値を感じていただければ」と開催目的を説明した。

 試合は1回戦から全て平日の午後6時以降に開始。参加者は日中働き、終業後に集結している。先ほどまで大人の顔つきだった面々が、まるで子どものようにゲームで盛り上がる姿が目立った。また、大会が行われたフロアはオフィスのエントランスフロアのため、ビジネスマンなどが入り乱れる。高さ6メートルの大型ビジョンに映し出されたゲーム画面に自然と足が止まり、観戦したり写真を撮ったりするギャラリーも多かった。

 同担当者によれば、参加者に募ったアンケートでは「他のテナントの方と交流できてよかった」「以前から交流したいと思っていた」など“交流”というワードが目立ったという。また、参加者の話によれば、仕事の休憩時間に別テナントの人に話しかけられ、同大会のことで盛り上がったことも。大会を通して“交流”が生まれたかたちだ。

 同社によれば、来年以降もテナント対抗型イベントの実施を検討しているという。

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