カーリング快進撃の裏で本格的ゲームも大ヒットしていた!女子日本代表にゲームでの対戦要望

松田 和城 松田 和城

 北京五輪では、カーリング女子日本代表ロコ・ソラーレが史上初の銀メダルを獲得する快進撃を見せた。その勢いにあやかって、Nintendo Switch向けのゲーム「みんなのカーリング」は、全国各所の販売店で完売するほどの影響を受けている。同ゲーム開発プロデューサーの保足直久氏(44)は、銀メダルに輝いた日本女子代表選手に向け「ゲームでぜひ対戦していただきたいです」と期待を寄せた。

 同ゲームの発売日・2月10日は、偶然にも日本代表の初戦(対スウェーデン)と重なった。その後も連日、カーリングの話題が大きく取り上げられ「これほどの外部的要因が広がるとは思っていなかったので、皆さんのカーリングに対する関心度の高さを痛感しています」と声を弾ませた。新作販売は、初日をピークに売り上げは落ちていくのが通例だが、日本代表の活躍でその減り幅は少ないという。決勝進出を決めた18日、ホームページへのアクセス数は爆発的だったそうで、決勝当日の反響にも期待できる。「ゲームファンだけじゃなくてスポーツに関心がある方たちへの認知が広まっています」と手応えを口にした。

 ゲームでは、日本カーリング協会(JCA)の監修のもとストーンの挙動や音、コントローラーを振ってカーリング特有のブラシでスイーピングする動作まで忠実に再現。初心者から経験者まで臨場感のある本格的なカーリングゲームを楽しめる。

 再現する上でこだわった点は「難易度とリアルさのバランス」だ。JACと相談し、初心者でも分かりやすくプレイできるように調整。投げる前からストーンが最終的に到達するであろう大まかな位置を円形状で確認できるようにした。「できるだけ自分の思い描いた場所にストーンを投げられた方が次の戦略も立てやすいですし、あまりにも不確定要素が多すぎると難しすぎておもしろくなくなってしまうんです。選手の方々はその状況下でもやられていてとてもすごいっていう話なんですけど」と説明した。

 2006年にゲーム製作会社・ロケットカンパニーからニンテンドーDS用ソフト「日本カーリング協会公認 みんなのDSカーリング」が販売され、親会社であるイマジニアが16年に吸収合併。18年・平昌五輪での銅メダル獲得に基づく盛り上がりやコロナ禍でのおうち時間の増加に伴い需要があると考え、JCAと再タッグを組んだ。「今回の日本代表の活躍で皆さんカーリングのゲーム性・ルールを知ったと思うんです。それをアウトプットする場所がゲームになればいいなと思っています」と話した。

 製作を始めたのは昨年春ごろ。五輪出場の可否に加え、そもそも開催できるのかも分からない状況だった。売り上げへの影響も懸念されたが「仮にオリンピックが行われなかったとしても、選手の皆さんとプレイする動画を公開することで、競技自体のおもしろさが伝われば良いかなと思って製作してきました」と明かした。現在、公式YouTubeチャンネルでは、元カーリング日本代表の市川美余氏や山口剛史氏によるゲームプレイ動画が投稿されている。

 保足氏は製作に着手するまでは、カーリングの試合を見る機会が少なかったいう。北京五輪の試合は全て視聴したといい「僕もやっと1カーリングファンになれたという感じです。製作していく過程で、『カーリングっておもしろいよね』って思っていたんですけど、大会を通じて見ることのおもしろさを再認識しました。感動をありがとうと言いたいですね」と感謝を口にした。

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